Appleは4月17日、年次の環境進捗報告書を公表し、2025年に出荷した製品に使う素材の30%が再生素材だったと発表した。再生素材比率としては過去最高だという。
同社は、自社設計の全バッテリーで100%再生コバルトを、全磁石で100%再生レアアースを使用している。自社設計のプリント基板では、めっきとソルダーに100%再生金と100%再生スズを採用した。
包装材ではプラスチック使用の全廃も完了した。2025年に100%繊維ベースの包装材への切り替えを終え、全製品を家庭でリサイクル可能な素材で出荷しているとした。
過去5年間で削減したプラスチック使用量は1万5000トン超に上り、プラスチックボトル約5億本分に相当するという。新しいStudio Display XDRの箱は、家庭用のリサイクルボックスに収まるよう折りたためる構造にした。
リサイクル技術への投資も続けている。Appleはカリフォルニア州の先端回収センターで、新たな電子機器リサイクルシステム「Cora」を公開した。
Coraは米国で設計・製造されたシステムで、精密破砕と先端センサー技術を組み合わせ、素材回収率の向上を図る。あわせて、機械学習を活用した識別システム「A.R.I.S.」も開発した。
A.R.I.S.は、リサイクル事業者による電子機器廃棄物の分類・選別を効率化する仕組みで、Mac mini上で動作する。
温室効果ガス排出量は、2015年比で60%超削減した水準を維持した。事業が大きく成長した年でありながら、2024年と同程度の排出量に抑えたとしている。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)は「地球を守る取り組みで今回の節目を達成できたことは、野心的な目標が強力なイノベーションの原動力になり得ることを示している」とコメントした。その上で、「この成果を足がかりに、さらに前進していく」と述べた。
再生可能エネルギーの活用でも進展があった。サプライヤー各社がAppleの再生可能エネルギープログラムを通じて前年に調達した電力は20ギガワットを超え、発電量は3800万メガワット時超に達したという。
これは、米国の340万世帯超が1年間に使用できる電力量に相当する。Appleはこのほか、オフィス、小売店、データセンターの運営向けに1.8ギガワットの再生可能エネルギーを別途確保した。
淡水使用量の削減と廃棄物削減でも成果が出た。前年にAppleとサプライヤーが削減した淡水使用量は170億ガロンで、オリンピック規格のプール2万5000個超を満たせる規模だとしている。
2025年には、世界の施設運営で使用した水の半分超を回復した。廃棄物転換率は75%となり、サプライチェーン全体では60万トン超の廃棄物を埋立処分から回避したという。
サプライヤー施設400拠点が、Appleのゼロ廃棄物プログラムに参加している。
サビ・カーン最高執行責任者(COO)は「再生素材の拡大から包装材のプラスチック排除まで、Appleは人と地球のために、さらに前へ進むことを促す新たな基準を打ち立てている」と述べた。Appleは2030年までに事業活動全体でカーボンニュートラルの達成を目指す「Apple 2030」を推進している。