Bitcoinは米国株の過去最高値更新を追い風に7万4000ドル台まで上昇した。ただ、デリバティブ市場では今回の反発を本格的なトレンド転換とみる動きは限定的だった。主要アルトコインではEthereumが相対的な強さを示している。
CoinDeskの16日付報道によると、Bitcoinは週間で2.74%高の7万4940ドルとなった。
背景には、米国とイランが来週予定されていた停戦期限後も協議を継続することで一致したとの報道がある。リスク資産選好が強まり、米株式市場ではS&P 500が0.8%、Nasdaq 100が1.4%上昇し、ともに過去最高値を更新した。両指数は3月末の安値以降、2週連続で持ち直している。
一方で、株式以外の資産はそれほど強い楽観を織り込まなかった。米長期金利はおおむね横ばいで推移し、金は1オンス当たり4800ドル近辺を維持。Brent原油は、米国がホルムズ海峡の海上封鎖を継続する中、1バレル95ドルまで上昇した。
暗号資産市場でも、現物価格の上昇に対しデリバティブの反応は鈍かった。QCP Capitalは、今回のBitcoin高について、広範なリスク選好の回復というより現物主導の上昇との見方を示した。実際、Bitcoin無期限先物の資金調達率は依然としてマイナス圏にあり、建玉も弱含んだ。上昇局面でも下落ポジションが大きく巻き戻されていないことを示している。
オプション市場でも慎重姿勢は崩れていない。短期のインプライド・ボラティリティは低水準にとどまり、1カ月物ボラティリティは3カ月物を下回った。30日物の25デルタ・リスク・リバーサルでは、上昇を見込むポジションより下値ヘッジ需要が強かった。今後数週間で満期を迎えるBitcoinオプションも、現物価格の上昇局面の割に落ち着いた水準で推移しており、市場参加者が追加上昇より下落リスクへの備えを優先していることがうかがえる。
主要アルトコインではEthereumが相対的な強さを見せた。Ethereumは直近1週間で4.61%上昇し、2345ドルとなった。XRPは6.14%高の1.45ドル、Dogecoinは4.8%高の0.099ドル、Solanaは3.97%高の89ドルだった。Ethereumの底堅さについては、Bitcoin単独の需給要因だけでは説明しにくい動きとして言及された。
EthereumとBitcoinの相対的な強さを示すETH/BTC比率は15日、0.0315近辺まで上昇した。2月に付けた2026年の安値である0.028近辺から持ち直した水準で、数カ月ぶりにEthereumの相対優位が明確になったケースとして示された。
Ethereumのネットワーク指標も価格とは別の強さを示している。1〜3月期のオンチェーン取引件数は2億4000万件と過去最大を記録し、ステーブルコイン供給量も1800億ドルと過去最高を付けた。
市場の関心は、次のリスクオフ局面でもEthereumがBitcoinに対して相対的な強さを維持できるかに向かっている。弱気相場でも下げが相対的に小さければ、よりリスクの高い資産へ資金が移り始めた兆候と受け止められる可能性がある。逆に下落率が大きければ、今回の強さはBitcoin上昇に高ベータで追随したにすぎないとの見方が強まりそうだ。
今後の焦点は、米国とイランの協議の枠組み自体が維持されるかどうかだ。市場は来週の停戦期限を前に、ホルムズ海峡やイランの核開発を巡る協議が実際に継続するかを見極めようとしている。QCP Capitalは今回の相場について、問題の解消ではなく、ヘッドラインを受けた一時的な安心感による動きと位置付けた。短期的な反発は続いたものの、市場全体が全面的なリスクオンへの回帰を織り込んだわけではないという点が、当面の注目点となる。