ASML(写真=Shutterstock)

オランダの半導体製造装置大手ASMLは15日、2026年の純売上高見通しを従来の340億〜390億ユーロから360億〜400億ユーロへ引き上げた。AIインフラ投資の拡大を背景に半導体需要が強まり、装置需要の回復が鮮明になっている。

Cryptopolitanによると、同社の第1四半期の業績は市場予想を上回った。純売上高は88億ユーロで、市場予想の85億ユーロを上回り、純利益も28億ユーロと予想の25億ユーロを超えた。

クリストフ・フケ最高経営責任者(CEO)は、半導体市況の改善を支える最大の要因としてAIインフラ投資を挙げた。AI関連投資の拡大によって業界の成長見通しが一段と明確になっており、足元ではチップ需要が供給を上回っているとの認識を示した。

あわせて、顧客企業が2026年以降を見据えた生産能力拡充計画を前倒ししていることも明らかにした。

ASMLは最先端半導体の製造に不可欠な露光装置を供給しており、顧客の投資計画が業績を大きく左右する。足元では、ファウンドリー、メモリの両分野で投資拡大の動きが続いている。

世界最大のファウンドリーであるTSMCは、直近の第1四半期に過去最高の売上高を記録し、AI向け半導体需要の強さを示した。メモリ市場でも供給不足が続き、価格は高止まりしている。

こうした流れを受け、Samsung ElectronicsやSK hynixなど主要各社は能力増強を進めており、ASML製装置への需要拡大につながっているという。

今回の決算では、新規受注額が公表されなかった点も市場の関心を集めた。投資家が注視してきた指標が示されなかったのは同社として初めてだが、同社は受注動向について引き続き強いとの見方を示した。

半導体製造装置業界全体でも需要回復の兆しが広がっている。ドイツの装置メーカーAixtronも、オプトエレクトロニクス向け装置需要の増加を踏まえ、2026年の売上高見通しを引き上げた。

AIインフラ投資の拡大も、装置需要を支える重要な要因となっている。MetaとBroadcomはAIアクセラレーター分野での協業を2029年まで延長しており、Metaは当初1ギガワット(GW)規模の学習・推論インフラを整備したうえで、これを数GW規模へ拡大する計画だ。

マーク・ザッカーバーグCEOは、チップ設計からパッケージング、ネットワーキングまで幅広い協力を通じて大規模なコンピューティングインフラを構築していると説明した。ホック・タンCEOも、次世代AIチップのロードマップは維持されており、需要拡大は今後も続くとの見通しを示した。

AIインフラの拡大は、短期的な半導体市況の回復にとどまらず、中長期の投資サイクルにも波及しつつある。ASMLの見通し引き上げは、ファウンドリー、メモリ、大手テック企業による投資拡大を映し出したものといえそうだ。

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