写真=NASDAQ

米国株式市場は15日、中東情勢の緊張緩和期待を背景に買いが優勢となり、S&P500とナスダック総合指数がそろって過去最高値を更新した。個別ではTeslaが7.95%高と急伸し、ハイテク株全体の戻りをけん引した。

S&P500は前日比0.8%高の7022.95で取引を終え、最高値を更新した。ナスダック総合指数も1.59%高の2万4016.02で引け、過去最高値を塗り替えた。一方、ダウ工業株30種平均は72.27ポイント(0.15%)安の4万8463.72だった。

相場を支えたのは、米国とイランを巡る緊張が和らぐとの見方だ。地政学的な懸念が長引かないとの期待から、投資家のリスク選好が持ち直した。

足元の上昇は一時的な反発にとどまっていない。ナスダック総合指数は11営業日続伸し、S&P500も直近11営業日のうち10営業日で上昇した。今週に入ってからの上昇率は、S&P500が約3%、ナスダック総合指数が約5%、ダウ平均も1%超となっている。

テクニカル面では過熱感も意識され始めた。ナスダック総合指数の相対力指数(RSI)は70を上回り、買われ過ぎの水準に入った。3月30日に売られ過ぎ圏にあったところから、わずか11営業日での反転となり、1980年代初頭以降で最も速いペースとの見方も出ている。

ハイテク株主導の戻りも鮮明だった。ソフトウエア関連を代表するETF「iShares Expanded Tech-Software Sector ETF(IGV)」はこの日3%超上昇し、週間ベースでは10%近い上昇率となった。前週には7%超下落していたが、今週に入って投資家心理が急速に改善し、資金が流入した。

市場ではこれに先立ち、AnthropicのAIモデル「Claude Mitos」がSaaS業界に与える影響が警戒されていた。ただ、今週に入ってそうした懸念が後退し、ハイテク株全般の地合い改善につながった。

個別銘柄ではTeslaの上げが際立った。終値は7.95%高の391.95ドル。イーロン・マスクCEOが次世代AI5チップについて、重要なエンジニアリング上の目標を達成したと明らかにし、自動運転やロボット事業の拡大期待を誘った。

Teslaはテキサス州オースティン近郊で、SpaceXとともに先端チップ工場2カ所の建設計画も進めている。車両・ロボット向けチップと、軌道上データセンター向けチップの生産を目指す計画で、Intelも参加している。

投資銀行による評価見直しも株価の支援材料となった。UBSはTeslaの投資判断を「売り」から「中立」に引き上げ、目標株価を352ドルに設定した。小型SUVの開発進展を前向きに評価したという。

このほかTeslaは、ヒューマノイドロボット「Optimus」の生産拡大に向け、カリフォルニア州フリーモント工場の一部を転用し、Model SとModel Xの販売を一時停止した。ソフトウエア更新を通じて、フルセルフドライビング(FSD)の監視付きサブスクリプションを利用しやすくするなど、収益基盤の強化も進めている。

大型ハイテク株も総じて堅調だった。Microsoftは取引時間中に約4%上昇し、Salesforceも3%近く値を上げた。S&P500採用銘柄ではDatadogが7%、ServiceNowが6%上昇し、ともに週間では2桁の上昇率を記録した。

中東情勢の緊張緩和期待とハイテク株への投資家心理の改善が重なり、主要指数と成長株がそろって堅調に推移する展開が続いている。

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