1BTC超を保有する投資家による取引所への流入が2018年以来の低水準となり、ビットコイン市場では現物の売り圧力が後退している。一方で、短期保有者の間では利益確定売りの動きが目立ち、デリバティブ市場ではショートポジションの積み上がりも確認された。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoは15日(現地時間)、大口保有者の売り圧力の鈍化に加え、ビットコイン供給の一部が市場で売買に回りにくい状態になっているとの見方を示した。
取引所別では、Binanceにおける1BTC超の月間平均入金量は足元で約6000BTCだった。2021年の1万5400BTCから大きく減少している。
世界の取引所全体でも、1BTC超の送金量は約2万7500BTCまで低下した。2018年のピークだった8万BTCと比べると、水準の切り下がりは一段と鮮明だ。
背景には、ビットコイン価格の上昇を受け、1BTC単位で保有できる投資家層が縮小したことがあるとみられる。取引プラットフォームの増加に加え、2024年にビットコイン現物ETFが導入され、現物を直接保有せずに値動きに投資できる手段が広がったことも影響したとされる。
長期保有を選好する投資家の増加も、取引所への移動減少を後押ししているという。
オンチェーン分析者のダークポストは、こうした動きについて「1BTC超を保有する投資家の取引所利用が減っていることを示している」と指摘した。その上で、「売り圧力が弱まる中、ビットコイン供給の相当部分が時間の経過とともに非流動化している」と分析している。供給減少が一時的な現象ではなく、市場構造の変化と連動して進んでいる可能性がある。
もっとも、短期保有者は異なる動きを見せた。ビットコインが7万5000ドル(約1125万円)近辺を試していた局面では、短期保有者が24時間で6万5000BTC超を取引所に送った。このうち6万1000BTCは、含み益のある状態で移されたものだった。
価格が反発するたびに、一部投資家が売却の好機とみている可能性がある。
デリバティブ市場では、ショートポジションの積み上がりも進んでいる。アナリストのミカエル・バン・デ・ポッペは、ビットコインが3度目のレジスタンスを試す過程で資金調達率がマイナスに転じ、未決済建玉(OI)が増加したと指摘した。
市場ではレバレッジをかけたショートが過度に積み上がっている状態だとして、同氏はビットコインが7万2000ドル(約1080万円)を上回っている限り、ショートよりロングを優先すべきだとの見方を示した。7万5000ドル(約1125万円)を突破した場合の次のレジスタンスとしては、8万5000〜8万8000ドル(約1275万〜1320万円)を挙げている。
アナリストのアクセル・アドラー・ジュニアは、ビットコインの「Bull-Bear Index」がゼロを上回り、弱気局面を脱したと評価した。一方で、「Network P/L Sentiment」は依然としてマイナス圏にあるとして、足元の動きは新たな強気相場入りではなく、回復局面に近いとの認識を示した。
地政学リスクも市場の焦点となっている。ドナルド・トランプ米大統領がホルムズ海峡を巡り、習近平中国国家主席との外交的な協調を示唆するシグナルを出したことも、供給縮小の流れに対する外部要因として意識された。
長期保有者の取引所離れ、短期保有者の利益確定、デリバティブ市場でのショート拡大が同時に進む中、ビットコインが主要なレジスタンス帯を突破できるかが当面の焦点となりそうだ。