韓国でデジタル資産基本法の立法が国会で停滞するなか、韓国銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証を加速している。CBDC実証事業「プロジェクト漢江」は第2段階に入り、実生活領域での適用範囲を広げた。焦点は、預金トークンの実用化に向けた基盤整備にある。
デジタル資産の規制権限を巡っては、韓国銀行と金融委員会の綱引きも表面化している。現在提出されている法案では、ステーブルコイン発行の認可権限は金融委員会の所管とされている。一方、韓国銀行は、非銀行主体が発行するステーブルコインが金融政策の波及経路を弱める可能性があるとして、認可手続きにおける自らの関与の必要性を訴えている。
こうしたなか、米ステーブルコイン大手のCircleは、韓国をグローバルなデジタル資産市場の重要拠点と評価し、制度整備の進展を前提に韓国での事業拡大に含みを持たせた。韓国の金融機関や取引所、フィンテック企業との技術協力やインフラ提供を軸に展開を探る考えだ。
韓国株式市場では14日、ステーブルコイン関連銘柄が大きく上昇した。市場では、ステーブルコインが発行体だけのテーマではなく、決済、認証、清算、ウォレット、取引インフラ全般に波及するとの見方が広がっている。
一方、米国ではステーブルコイン規制法案のGENIUS Actを巡る不透明感が続く。今週は、同法案が2026年内に成立する可能性は30%程度にとどまるとの見方が相次いだ。上院委員会での審議は4月末に予定されているが、ステーブルコイン保有残高への利払いを禁じる条項を巡り、Coinbaseなど暗号資産業界の反発が強い。
ルミス上院議員は「今会期を逃せば2030年以前の成立は難しい」と警告し、立法の加速を促した。一方で、米財務長官がCoinbaseに直接協力を要請し、Coinbaseも前向きな反応を示したことで、最終局面で調整が進む余地も残されている。
法案が最終的に頓挫した場合、米政府が暗号資産業界全体への規制を強めるとの懸念もくすぶる。GENIUS Actは暗号資産開発者の保護条項を含む一方、銀行によるステーブルコイン発行への参加を制度化する内容でもあり、業界と伝統金融の利害対立はなお根強い。
市場では、ビットコインが今週も6万~7万ドルで推移した。先物レバレッジが価格変動を抑えているほか、現物買いと短期保有層の需要も明確には戻っていないとの見方がある。その一方で、未決済建玉(OI)は250億ドルに近づいており、新たなショートスクイーズの可能性を指摘する声もある。6万~7万ドル帯では押し目買いが入っているとの分析も出ている。
地政学リスクが高まるなかでも、伝統的な安全資産である金価格が軟調に推移しており、ビットコインの「デジタルゴールド」としての価値保存機能が改めて試されているとの見方も広がった。米政府が押収した約32万8000BTCの保有分をCoinbaseに移管したとの報道も、短期的な不確実性要因として意識された。
XRPを巡っては、重要なサポートラインを維持し、底打ちを示唆するとの見方が出ている一方、下落時には0.8ドルまで下押しする可能性もあるとして警戒感も残る。クジラが1カ月で1億3000万XRPを買い集めたとのデータも公表され、トレンド転換への期待が集まった。
もっとも、XRPの「1000ドル説」を巡る議論はなお続いている。XRPLのバリデーターなど一部には「夢見る者が勝つ」として強気姿勢を崩さない向きもあるが、現在の時価総額や市場構造を踏まえれば過度な期待だとする反論も根強い。投資成果を左右するのは保有量ではなく売却タイミングだとの分析も広がっており、分割売却戦略の重要性が改めて意識されている。
量子コンピューティングを巡っても、暗号資産市場で警戒感が高まった。Googleとカルテックの共同研究チームは、ビットコインとイーサリアムの暗号体系が、従来想定より少ない量子ビットで解読される可能性があるとする論文を公表した。これを受け、市場では量子脅威の現実化が想定より早まるとの懸念が強まった。
ただ、学界からは反論も出ている。ビットコインの暗号体系を実際に解読するには太陽級のエネルギーが必要で、現実性は低いとする分析が示されたほか、量子耐性コインのQRLが40%急騰するなど、市場が先回りして反応する動きもみられた。
ステーブルコインの拡大は今週も主要テーマの一つだった。スタンダードチャータードの報告書によると、ステーブルコインの月間平均回転率はこの2年で2倍に増え、2035年には取引量がVisaとMastercardを上回る可能性があるという。とりわけCircleのUSDCが、決済や既存金融の代替、さらにAI決済の拡大を主導したと分析している。
地政学の観点でもステーブルコインへの関心は高まっている。イランがホルムズ海峡の通行料を受け取る手段としては、ビットコインよりもステーブルコインのほうが現実的だとの分析が示され、ステーブルコインが単なる投資資産を超え、国際決済インフラとして位置付けられつつある流れを映した。RippleのCEOも、自社ステーブルコインが暗号資産の大衆化において「ChatGPTに匹敵する破壊的イノベーション」になり得るとの見方を示した。