Xが暗号資産関連機能の拡充を検討しているとの見方が広がっている。発端となったのは、同社のニキタ・ビア製品責任者によるX上での発言だ。現時点で公式発表はないが、BTC決済やウォレット統合、ステーブルコインを使ったクリエイター報酬などを巡る観測が浮上している。
ブロックチェーンメディアBeInCryptoが4月14日(現地時間)に報じたところによると、ビア氏はXへの投稿で「暗号資産市場は厳しい1年だった」としたうえで、「それを打開する何かをXが投入すべきかもしれない」との考えを示した。
この投稿を受け、X上では暗号資産投資家を中心にさまざまな提案が相次いだ。プラットフォーム内でビットコイン(BTC)を直接売買できるようにすべきだとの声のほか、クリエイター報酬をUSDCなどのステーブルコインで支払えば、利用者とプラットフォームの双方にメリットがあるとする意見も出ている。
関心の焦点は、Xが暗号資産機能をどの範囲までサービスに組み込むかにある。コミュニティでは、Hyperliquidのビルダーコードとの連携、タイムライン上での直接取引、決済機能、ウォレット統合、ステーブルコインベースの収益分配、コピートレード、リアルタイムの損益表示などが候補として取り沙汰されている。ただ、いずれも利用者側の観測や要望であり、Xが正式に認めたものではない。
一方、Xは関連機能の土台づくりを進めているとみられる。ビア氏は2月14日、スマートキャッシュタグを公開した。従来のキャッシュタグのインデックス機能を拡張し、Xのタイムライン上で株式や暗号資産を直接取引できるようにする構想とされる。単なる検索や情報確認にとどまらず、取引機能をプラットフォーム内に取り込む方向性を示した格好だ。
決済サービス「X Money」との連動可能性にも改めて注目が集まっている。暗号資産機能をX Moneyに統合するとの観測は以前から出ていたが、Xはこれまで計画を確認していない。一部の利用者は、X Moneyが今月にリリース予定だとする従来の発表を根拠に、同サービスがX内ウォレットの形を取る可能性があるとみている。暗号資産と法定通貨を併用する仕組みや、サブスクリプション決済、投げ銭、残高運用機能の追加を見込む声もある。
人事面の動きもこうした見方を後押ししている。Xは3月、ベンジ・テイラー氏を新たなデザイン責任者に起用した。テイラー氏はAva Labsで最高製品責任者(CPO)を務めたほか、CoinbaseのBaseネットワークでは主任デザイナーとして在籍した経歴を持つ。ブロックチェーン領域に強い人材を中枢に据えることで、暗号資産機能を製品全体へ広げる狙いがあるのではないかとの見方が出ている。
現時点で確認できる材料は、ビア氏による短い投稿に限られる。ただ、スマートキャッシュタグの公開、X Moneyの開発、人材登用が同時期に重なっていることから、Xが暗号資産戦略を複数の軸で進めている可能性を指摘する声は少なくない。今後の焦点は、暗号資産を単なる話題づくりにとどめず、実際の取引や決済、クリエイター報酬にまでつながる機能として実装するかどうかに移っている。
ビア氏は実際の投稿で、「Crypto has had a rough year. Maybe we should launch something to fix it.」と記している。