Bernsteinは、予測市場の年間取引額が2030年に1兆ドル(約150兆円)へ拡大するとの見通しを示した。スポーツ中心だった市場が、今後は暗号資産や政治、経済など幅広い分野に広がり、高成長を維持するとみている。
ブロックチェーン系メディアのThe Block Cryptoが14日(現地時間)に報じたところによると、Bernsteinは、これまでスポーツを軸に拡大してきた予測市場について、今後は政治、経済、マクロ指標、文化関連のイベントなどにも対象が広がると分析した。
同社によれば、予測市場の2025年の取引額は約510億ドル(約76兆5000億円)。前年比で約3倍に拡大した。2024年の米大統領選に集中していた流動性が、その後はスポーツ、暗号資産、マクロ経済、政治関連の契約へ移ったことが背景にあるという。
足元の拡大ペースも速い。KalshiとPolymarketの年初来取引額は合計で既に600億ドル(約9兆円)に達した。Bernsteinは、2026年の取引額が2400億ドル(約36兆円)に増え、2030年末までの年平均成長率は80%になると予想している。
成長要因としては、規制の明確化とブロックチェーンを基盤とする市場構造を挙げた。連邦レベルでルールが整備されれば、州ごとに分かれていた従来の規制より広い市場が開けるとみる。さらに、ブロックチェーンによるトークン化と暗号資産市場との連携により、グローバルな流動性の取り込みやニッチなイベント契約の組成、機関投資家の参加が進むと指摘した。
ここ数カ月はスポーツイベント契約を巡り州当局による監視が続いていたが、米商品先物取引委員会(CFTC)は予測市場に対する「排他的管轄権」を持つと表明した。業界拡大に対応したルール整備にも着手しており、規制の主導権が州政府から連邦当局へ移るかどうかが、市場拡大を左右する重要な論点になっている。
現時点で取引の中心はスポーツ分野だ。Bernsteinは、スポーツベッティング契約が予測市場全体の62%を占めると分析した。オンラインスポーツベッティング市場の構造的制約や、州ごとに分断された規制環境が、スポーツ予測市場の追い風になったとしている。
もっとも同社は、この比率が2030年末には31%前後まで低下すると予測する。「スポーツは入り口にすぎず、最終的な到達点ではない」と位置付けた。
より大きな成長機会は、暗号資産、マクロ経済、政治、経済関連の契約にあるとみている。投資家が特定の事象に対するより直接的な投資機会を求めるなか、経済・ビジネス・政治関連の契約を軸に機関投資家向け市場が形成されると予想した。企業や特定事象リスクを抱える保険会社でも、ヘッジ需要が生まれる可能性があるという。
収益化も進んでいる。Bernsteinは、予測市場業界の年間経常収益(ARR)が2025年の4億ドル(約600億円)から、2026年には約25億ドル(約3750億円)に拡大すると試算した。取引の増加と収益化の進展が同時に進むとの見方だ。Polymarketは最近、手数料無料モデルから転換し、ARRは約4億2000万ドル(約630億円)規模に達した。業界全体の売上高は2030年末に約108億ドル(約1兆6200億円)まで拡大するとの見通しも示した。
証券業界の関心は、販売・取引の窓口となるプラットフォームにも向かっている。Bernsteinは、RobinhoodとCoinbaseを予測市場の中核となる流通基盤に位置付けた。特にRobinhoodについては、Kalshi基盤の予測市場ハブを立ち上げてから12カ月以内に、ARRが約3億5000万ドル(約525億円)に達したと推計している。
別の分析では、予測市場の成長と暗号資産市場の回復が、Robinhood株の大きな上振れ余地につながる可能性があると評価した。Robinhoodの予測市場関連売上高は、2025年の約1億5000万ドル(約225億円)から、2026年には約5億8600万ドル(約879億円)へ増加する見通しで、前年比286%増に相当する。2026年夏のワールドカップと、同年下半期の米中間選挙という政治日程も、取引拡大を後押しする可能性があると指摘した。
Bernsteinは、RobinhoodとCoinbaseの投資判断をいずれも「市場収益率を上回る」で維持し、目標株価はそれぞれ130ドル(約1万9500円)、330ドル(約4万9500円)とした。予測市場がスポーツベッティングの代替にとどまらず、情報取引の市場として広がれるかどうかが、今後の業界成長を占う焦点になるとしている。