ビットコイン先物市場で未決済建玉が5週間ぶりの高水準に達した。ファンディングレートは引き続きマイナス圏にあり、市場ではショートポジションの積み上がりを背景に、ショートスクイーズへの警戒感が強まっている。
Cointelegraphが11日に報じたところによると、オンチェーン分析会社CryptoQuantは、足元のビットコイン市場についてショートポジションが過密になっていると分析した。
背景にあるのは、価格が上昇する局面でもデリバティブ市場のポジションが弱気に傾いていることだ。ビットコインは10日に7万3000ドルを上回った一方、取引所のファンディングレートは依然としてマイナス圏にとどまり、未決済建玉は242億ドルまで増加した。これは3月初旬以来の高水準という。
CryptoQuantの寄稿者コイニールは、ビットコインが取引所から流出しているにもかかわらず、ファンディングレートが大きくマイナス圏に沈んでいる点を指摘した。そのうえで、ショートポジションが大きく積み上がっている可能性があるとの見方を示した。
同氏は、この組み合わせがレバレッジをかけたショートの急増を示唆しているとみる。3月以降はマイナスのファンディングレートがより頻繁に観測され、4月に入ってからはプラスに転じないまま推移していると説明した。直近の小幅な調整についても、本格的なデレバレッジ局面とは言い難いとしている。
一方、実際の清算規模はなお限定的だ。Coinglassの集計では、記事作成時点直前の24時間における暗号資産市場全体の清算額は1億ドル未満にとどまった。ビットコイン価格が上昇する過程でも、ショート清算は比較的小幅だった。
市場では、ショートポジションが急速に巻き戻されるというより、積み上がった状態が維持されているとの受け止めが広がっている。
投資家心理にも変化がみられる。市場参加者の間ではビットコインの一段高を見込む声が増えており、目標価格として8万ドル超を挙げる見方も出ている。
暗号資産トレーダーのMichael Van de Poppeは、大口の投機筋が再びビットコインの純買いに転じたとし、「2023年の大きなブレイクアウト直前と非常によく似た流れだ」との認識を示した。
今後の焦点は、マイナスのファンディングレートと高水準の未決済建玉が続くなかでショートがさらに積み上がるのか、それとも価格変動をきっかけに本格的な清算が進むのかに移っている。
足元のデータは、ビットコイン現物の取引所流出と、デリバティブ市場でのショートの蓄積が同時に進んでいる構図を示している。短期的には、ショートポジションへの圧力が相場の方向性を左右する重要な変数となりそうだ。