イーサリアム市場で需要回復の兆しが強まっている。デリバティブ市場では買い圧力の優勢が続き、先物の未決済建玉(OI)も回復。現物ETFも純流入に転じた。もっとも、上昇基調への移行が定着するかどうかは、まず1800〜2000ドル帯を維持できるかにかかっている。
8日、Cointelegraphによると、オンチェーンデータとデリバティブ関連指標は、足元でイーサリアム需要が持ち直している可能性を示している。
注目されているのは、デリバティブ市場の純テイカー取引量だ。この指標は、成行主体の買い注文と売り注文の偏りを示す。オンチェーン分析会社CryptoQuantのデータでは、同指標は3月6日以降プラス圏を維持。3月16日には1億4000万ドルまで拡大し、足元でも1億400万ドル規模の買い越しとなっている。
CryptoQuantのアナリスト、ダークフォストは「現在は買い圧力が優勢だ」と指摘。そのうえで、今回の動きについて「イーサリアムのデリバティブ市場で、前回の弱気相場以降で初めて確認されるレジーム転換だ」と評価した。市場参加の拡大が、単なる短期反発にとどまらず、地合いの変化につながる可能性があるという見方だ。
未決済建玉(OI)も増加している。イーサリアム先物の未決済建玉は足元で640万ETHとなり、2025年7月に付けた過去最高の780万ETHに迫る水準まで戻した。ダークフォストは、昨年10月に500万ETHまで落ち込んだ後、段階的に回復してきたと説明しており、先物市場への参加が再び広がっていることを示している。
現物ETFの資金フローも改善した。イーサリアム現物ETFは7日に1億2000万ドルの純流入を記録し、3月中旬以降で最大となった。直前までは数日間にわたり流出が続いていたが、米国投資家の需要が戻り始めたシグナルと受け止められている。
価格面では、1800〜2000ドル帯が重要な下値支持線とみられている。この水準は20日指数移動平均線と対称三角形の下限が重なる。アナリストのテッド・ピローズは「2000ドルの支持帯が維持される限り、イーサリアムは一段高が可能だ」との見方を示した。
取得価格帯別の保有分布も、同様の見方を裏付けている。約2000ドル近辺には350万ETH超が集中しているとされ、さらに下の1750〜1800ドル帯にも136万ETHが控える。このため、同水準は追加の下値支持線として機能する可能性がある。一方で、このゾーンを明確に下抜ければ下押し圧力が強まり、1750〜1800ドルを割り込んだ場合は、対称三角形の測定目標である1460ドルまで下落する可能性がある。現在値と比べて約30%低い水準だ。
市場の関心は、需要回復を示すシグナルが実際のトレンド転換につながるかどうかに集まっている。買い圧力の優勢、ETFへの資金流入、未決済建玉の回復が同時に確認される一方、強気基調を取り戻すには、まず1800〜2000ドル帯を維持したうえで、その後2400ドルの抵抗線を上抜けられるかが焦点となる。