LG CNSはSAPと連携し、韓国のERP市場でAI活用を本格化する。4月8日にはソウル市江南区の朝鮮パレスホテルで共同イベント「Business AI for ERP Summit」を開き、SAP Business AIを活用した次世代ERPのAI活用戦略を発表した。会場には製造、物流、流通、通信など幅広い業種の企業関係者約200人が参加した。
LG CNSは、ERPのコンサルティングから構築、運用、高度化までを一貫して支援している。約30年にわたり、製造、化学、流通、航空など多様な業界で、国内外の顧客企業にERPシステムを提供してきた。
足元では、エージェンティックAIなどの先端技術をERPに取り込む「AX on ERP」戦略を推進している。AIを活用して業務の自動化と効率化を進め、業務プロセスの変革を後押しする狙いだ。
今回のイベントでは、「ERPにAIをどう組み合わせ、成果につなげるか」を主題に据えた。SAPのアジア太平洋地域でAIを担当するポール・ワン氏は基調講演で、AI投資が実際の成果に結び付きにくい「AI価値ギャップ」に言及。SAP Business AIを紹介し、全社的な業務にAIを組み込み、実質的なビジネス成果を創出する必要があると説明した。
続くセッションでは、LG CNSのERP AX事業団長、チャン・ヒョンジョン氏が、SAP Business AIを韓国企業の業務環境に合わせて実装する戦略を紹介した。現場で活用しやすい実践的なAI ERP導入モデルを提示したという。
導入事例のセッションでは、LG Innotekのパク・ジュンギ室長とCJ CheilJedangのムン・ヒョンミン担当が、LG CNSと進めているAI ERP導入の取り組みを紹介した。
また、LG CNSのERPイノベーション事業担当、チン・ギョンソン常務は「AX on ERP」をテーマに講演し、SAPと連携して企業ごとの事業特性に合ったERPのAI活用ユースケースを発掘する方法論と、導入から成果創出までを支える実行体制を説明した。
LG CNSはこのほか、フィジカルAIの技術動向と活用案も紹介した。LG CNSのフューチャー・ロボティクス・ラボ委員、ソン・ドンシン氏は、ヒューマノイドを巡る最新動向に加え、SAPのロボット基盤AIサービス「SAP Embodied AI」をLG CNSのロボットプラットフォームと連携させる活用案を共有し、ロボットの現場適用の方向性を示した。
LG CNSのエンタープライズソリューション事業部長、ネ・ハンシン専務は「AIは単なるツールではなく、組織運営の仕組みとして内在化されるべきだ。単なる技術導入にとどまらず、AIエージェントを通じて業務遂行の在り方そのものを再設計することが重要だ」と述べた。そのうえで、「SAPとの戦略的協業を基に、実質的な変革成果を生み出していく」と語った。