画像=SANAE TOKEN公式サイト

高市氏の名前と肖像を使ったミームコイン「SANAE TOKEN」を巡り、首相官邸側が事前に把握していたのではないかとの疑惑が再燃している。週刊誌報道で説明の整合性が改めて注目される一方、金融庁は暗号資産の規制枠組みを見直す法案を国会に提出し、制度面の議論も動き始めた。

ブロックチェーンメディアのBeInCryptoは7日、市場の関心が政治的な応酬そのものよりも、この案件が規制見直しの議論を早めるのか、それとも複雑にするのかという点に移っていると報じた。

SANAE TOKENは2月25日、Solana上で立ち上がった。起業家のミゾグチ・ユウジ氏が率いるコミュニティ「NoBorder DAO」が、「Japan is Back」イニシアチブの一環として発行したもので、プロジェクトの公式サイトには高市氏の名前と肖像が掲載されていた。

トークン価格は公開初日に40倍超まで急騰した。ただ、高市氏が3月2日、「自身および事務所はトークンについて一切の説明を受けていない」と否定すると、その後に58%下落した。これを受け、金融庁はNoBorder DAOが暗号資産交換業の登録なしに事業を行っていたかどうかの調査に着手し、運営側は発行を停止した。

疑惑再燃のきっかけとなったのは、日本の週刊誌による報道だ。週刊文春は、開発者のマツイ・ケン氏が「このプロジェクトが暗号資産であることを高市氏の事務所に伝えた」と話したと報道した。事前説明はなかったとしてきた高市氏側の説明と食い違う内容だ。

さらに同誌は、高市氏の秘書官が長期間にわたって当該プロジェクトに好意的に言及していたとされる音声を入手したとも報じた。別の日本のオンラインメディアは、関連する問い合わせに高市氏事務所が回答しなかったと伝えたほか、高市氏が2月18日以降、記者会見を開いていないとも報じている。

こうした政治的な真偽論争とは別に、業界が神経をとがらせているのが制度変更の行方だ。朝日新聞によると、金融庁は今週、暗号資産制度見直しの中核となる法案を国会に提出した。暗号資産の法的根拠を資金決済法から金融商品取引法へ移し、デジタル資産を初めて金融商品として位置付ける内容だという。

罰則も強化される。無許可で暗号資産を販売した場合の法定刑は、懲役の上限が10年に引き上げられ、罰金も300万円から1000万円に増額される。加えて、証券取引等監視委員会には、暗号資産事業者に対してこれまで認められていなかった刑事調査権限が付与される。

投資家保護策としては、無登録事業者との取引を原則無効とみなし、返金請求をしやすくする条項も盛り込まれた。無許可営業の疑いが浮上したSANAE TOKENを巡る問題とも重なる論点となっている。

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