RAM価格に下落の兆しが出ているものの、高水準が続いている。写真はイメージ(Shutterstock)

PC向けメモリ(RAM)価格に一部で下落の動きが出始めた。ただ、店頭での価格水準はなお高く、DDR4・DDR5ともに正常化には時間がかかるとの見方が強い。

TechRadarとTom's Hardwareは4日(現地時間)、欧州、米国、中国の一部流通チャネルでRAMキット価格が小幅に下がり始めたと報じた。

今回の価格調整は、供給が増えたためではなく、高値を受けた需要減速の影響が大きいとみられている。両メディアは、消費者が割高なRAMの購入を控え始め、市場がそれに反応したと伝えた。

ここ数カ月は、32GBや64GBのRAMキットが完成品PCやゲーム機に迫る価格帯まで上昇し、販売が急速に鈍化した。こうした動きを受け、流通段階で在庫調整が進んだとみられる。

背景には、AIデータセンター向けにメモリ需要が集中している構図がある。AIインフラの大規模な拡張でDRAMが大量に吸収され、一般消費者向けの供給は相対的に後回しになった。

Micron Technologyなど主要メーカーが法人向けやAI関連需要を優先した結果、個人向け市場の供給逼迫が強まったとの見方も出ている。

一方で、この構図に変化が生じる可能性も指摘されている。Googleが開発したメモリ圧縮技術「TurboQuant」など、AIシステムのDRAM使用量を抑える技術が今後の需給に影響を与える可能性があるためだ。

AI企業によるメモリ需要が一部で和らげば、消費者向け市場にも段階的に供給が回るとの期待が出ている。

もっとも、足元の価格水準は依然として異例の高さだ。例として挙げられたCorsair Vengeance RGB Pro DDR4 32GBは、2024年末には約54.99ポンドで販売されていたが、直近では273.99ポンド前後まで上昇した。価格は4倍超に膨らんだ計算になる。

一部で値下がりが始まったとはいえ、過去の水準と比べれば依然として高値圏にあることを示している。

専門家は、消費者に拙速な購入を避けるよう促している。両メディアは、わずかな値下がりを受けて需要がすぐ戻れば、現在の高値が新たな相場として定着しかねないと警鐘を鳴らした。

需要の早期回復が、かえって価格正常化を遅らせる可能性があるという。

今後の焦点は、メモリ価格がどの程度の速度で通常のレンジに戻るかだ。DDR4は依然高値で推移しており、DDR5も性能向上幅に比べて価格負担が重いとの評価が続いている。

業界では、市場が安定を取り戻すまでにはなお時間を要するとの見方が優勢だ。

RAM価格の下落自体は前向きな兆候だが、消費者にとっては当面、急いでアップグレードに動くより、追加の値下がりが広がるかを見極める局面といえそうだ。

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