Samsung ElectronicsのDS部門半導体工場(写真=Samsung Electronics)

Samsung ElectronicsとSK hynixのメモリ大手2社は、2026年1〜3月期に大幅増益となる見通しだ。DRAMやNANDの価格急騰が追い風となる一方、完成品メーカーのコスト増に伴う需要減速懸念や、技術変化、地政学リスクなどの不確実性が重なり、市場では先行きへの警戒感もくすぶっている。

証券各社は、両社の1〜3月期業績を強気に見ている。未来アセット証券はSamsung Electronicsの営業利益を41兆3000億ウォン(前四半期比105.9%増)、ハナ証券はSK hynixの営業利益を36兆9000億ウォン(同92%増)と推計した。DRAMとNANDの平均販売単価(ASP)が前四半期比で50〜80%上昇し、ドル高・ウォン安も収益を押し上げたという。

もっとも、メモリ価格の急騰は完成品メーカーの収益を圧迫する要因にもなる。メモリ価格の上昇がコスト負担を押し上げ、需要減速につながる可能性があるためだ。代信証券は、スマートフォンやPCなど主要IT機器の販売価格引き上げが見込まれ、その後の販売鈍化や部材価格の引き下げ圧力につながる可能性があると分析した。

実際、キウム証券は、Samsung ElectronicsのDX部門の営業利益がメモリコストの急上昇を受けて前年同期比56%減になると予想した。メモリを供給する半導体部門が過去最高水準の業績を上げる一方、メモリを部材として使う事業部門では採算が悪化する構図だ。

需要面の重しは、技術面でも強まりつつある。キウム証券は、Googleが発表したターボクアントとNVIDIAのKVTCはいずれもKVキャッシュ圧縮技術であり、サーバー向けDRAMとeSSDの2027〜2029年の需要見通しにマイナス要因となり得ると指摘した。

一方で、圧縮解除の過程でHBMの追加演算が必要になるため、HBM需要にはむしろプラスに働くとの見方もある。メモリ使用量を抑える技術の台頭が、汎用DRAMとHBMの需要の二極化を一段と進める可能性があるということだ。

地政学リスクも新たな変数として浮上している。アイエム証券は、米・イラン戦争が長期化すれば、AI投資やメモリ市況が鈍化し、バリュエーション倍率や目標株価の引き下げは避けられないとした。未来アセット証券は、戦争の長期化に加え、ターボクアントに伴う需要減少懸念や次世代GPUモデルの投入遅延の可能性などが重なり、SK hynix株は高値から26.6%下落したと説明した。業績見通しが上方修正される局面でも、株価は先行して調整色を強めた格好だ。

ただ、足元のメモリ価格は底堅さを保っている。未来アセット証券によると、DRAMのスポット価格は高値からの下落率がDDR4で7%、DDR5で5%にとどまった。3月のDDR5契約価格は31ドルとなり、予想を3.3%上回った。

アイエム証券は、スポット価格が急速な下落トレンドに転じる可能性は低いとみる一方、下落幅が拡大し軟調な推移が続けば、メモリコストの負担が市況全体を下押しし始めた兆候と受け止める必要があると警告した。今後は、第2四半期以降もビッグテックの設備投資(CAPEX)の増勢が続くかどうかと、スポット価格の動向が市況判断の重要な指標になりそうだ。

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