AI時代を背景に、企業のWebサイトや自社ブログなど、企業が直接保有・運営する「オウンドメディア」の重要性が高まっていることが分かった。米Axiosが26日(現地時間)、Penta Groupの分析を報じた。
分析によると、大規模言語モデル(LLM)が引用するコンテンツの約60%は、企業が自ら制作した自社コンテンツだった。既存メディアの比率は約25%にとどまり、残りはユーザー生成コンテンツやサードパーティープラットフォームが占めた。
一方、通常の検索ではアーンドメディアが28%、オウンドコンテンツが22%を占めるという。
今回の分析では、LLMは売り込み色の強い表現よりも、ジャーナリズムに近い内容のコンテンツを好む傾向も示された。明確な見出し、FAQ形式、著者情報の明記、定期的な更新が、LLMに引用されやすくなる要因として挙げられている。
Penta Groupは、コンテンツの構造や鮮度は、広報・コミュニケーション部門が自らコントロールできる要素だと分析した。
Pentaのパートナー、アンドレア・クリスチアンソン氏は、「人々がWebサイトよりもLLMを使って情報を探す時代には、Webサイトも『人々が知りたいこと』に答える形で設計すべきだ」と述べた。
競争戦略の面でも、オウンドメディアの重要性は増している。Pentaの最高経営責任者(CEO)、マット・マクドナルド氏は、「競合がAIの回答にどう登場しているかは重要な変数だ。自社がどのように露出しているのか把握する必要がある」と語った。
企業が自社コンテンツを保有していれば、制作のスピードを高めやすいほか、AIシステムに対して構造化された情報を直接提示できる点も強みになる。
レポートによると、ブランド各社は「ボロウド・オーディエンス」から「ボロウド・エキスパティーズ」へと重心を移しつつある。ニッチ分野で権威性のある情報源と協業し、独自のインサイトを確保することで、AIの回答に自社の視点が引用される可能性を高める狙いがあるという。
もっとも、LLMがどのような基準で情報を選び、引用しているのかは依然として不透明だ。Tamalpais Strategiesのジム・プロサー氏は、「オウンドメディアはもともとSEOでも有効な戦略だった。要するに、SEOと良質なコミュニケーションを組み合わせたもので、名称が生成エンジン最適化(GEO)に変わったにすぎない」と評価した。