Googleは、車載OS「Android Automotive OS(AAOS)」をソフトウェア定義車(SDV)向けに拡張し、新たなプラットフォーム「AAOS SDV」を公開した。AAOSの適用範囲を従来のインフォテインメント領域から車両全体へ広げ、オープンソースで展開することで、自動車向けソフトウェア基盤としての存在感を高める考えだ。
米ITメディア『The Verge』が24日(現地時間)に報じたところによると、GoogleはAndroidベースの車載OSであるAAOSをSDV向けに拡張し、オープンソースとして提供する方針を明らかにした。
これまでのAAOSは、主に車載インフォテインメントシステムで採用が進んでいた。今回の拡張では対象を車両内部のコンピューターシステム全般に広げ、画面UIにとどまらない車両機能の統合基盤として位置付ける。
自動車は「車輪の付いたコンピューター」とも呼ばれるほどソフトウェア依存が高まっている。一方で、自動車メーカーや部品サプライヤーごとにシステムが分かれ、統一性を欠くことが課題となってきた。Googleは共通プラットフォームの提供を通じてこうした断片化の解消を図り、自動車産業における中核的なソフトウェア基盤の担い手を目指す。
新プラットフォームでは、OTA(無線アップデート)の高速化に加え、音声アシスタント機能や予兆保全アラートなどを強化した。空調、照明、シート調整といった主要機能も統合管理し、デジタルキー、パーソナライズされたプロファイル、遠隔操作などのユーザー体験を単一のエコシステムに集約する。
自動車メーカーにとっては、共通基盤を活用することで開発コストを抑えつつ、ブランドごとの差別化に注力できる利点がある。Googleは「共通のベースコードと開発基盤を提供することで、メーカーはより優れたユーザー体験の設計に集中できる」と説明している。
GoogleはすでにRenault GroupやQualcommと連携し、新たなAAOS SDVの導入を進めている。今後はVolvo、Polestar、General Motors(GM)、Nissan、Hondaなど、既存の採用メーカーや車種への展開も拡大する予定という。
車載プラットフォームを巡る競争はAppleも強めている。Appleは最近、「CarPlay Ultra」を発表し、空調システムや車両制御機能まで含めた統合を打ち出した。Aston MartinやPorscheなどへの展開拡大も計画している。
自動車がデジタルプラットフォームへと進化する中、GoogleとAppleによる車載OSの主導権争いは一段と激しくなりそうだ。