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AIサービスの課金モデルを巡り、使った分だけ支払う従量課金へのシフトが加速している。主要ベンダーが料金体系の見直しに動く一方、AIインフラ費用の上昇も重なり、企業向け市場では価格設定と導入支援の両面で競争が激しさを増している。

OpenAIもChatGPTの料金体系を見直す可能性を示した。無制限のサブスクリプションプランを見直すとの観測も出ている。ChatGPTを統括するニック・ターリー氏は、ポッドキャスト「B2Pod」で「技術がこれほど速く変化する中で、価格体系だけが大きく変わらないことはない」と述べた。

業務アプリケーション大手のSAPも、企業顧客向けにAIの利用量に応じて課金するモデルへの移行を進めている。クリスティアン・クラインCEOがBloombergとのインタビューで方針を明らかにした。

AIインフラの価格も上昇基調にある。サプライチェーンの混乱を背景に、米国に続いて中国の大手クラウド事業者もAIインフラ費用の引き上げに動いた。

こうした中、企業向けAI市場を巡る有力各社の競争も一段と激しくなっている。企業分野で強みを持つとされるAnthropicを意識し、競合各社が攻勢を強めている構図だ。

OpenAIは、サービスを広げすぎたことで焦点がぼやけたとの判断から、コーディング分野と企業顧客に経営資源を振り向ける。年内に従業員数を現在の4500人から8000人へ増やす計画で、企業のAI活用を支援する「テクニカル・アンバサダー」も大幅に増員する方針だ。あわせて、AIコーディング市場での競争力強化に向け、開発者ツールのスタートアップAstralの買収も進める。

フランスのAIスタートアップMistralは、企業向けのカスタムAIモデル構築プラットフォーム「Forge」を公開した。企業が自社データを活用して独自モデルを構築できるよう支援する。イーロン・マスク氏率いるxAIは、エンジニアを見込み客のオフィスに直接派遣する手法で企業開拓を進めており、OpenAIやAnthropicの顧客企業の切り崩しを狙う。

NVIDIAの年次カンファレンス「GTC2026」でも、AI関連の大型発表が相次いだ。AIを巡る技術開発だけでなく、インフラから産業用途まで裾野が広がっていることを印象づけた。

OpenAIは、ChatGPTアプリ、コーディングプラットフォーム「Codex」、ブラウザ「Atlas」を単一のデスクトップ環境に統合する構想も進めている。ユーザー体験の簡素化に加え、企業と開発者の囲い込みを狙った動きとみられる。広告事業の本格展開も視野に入れており、初期テストに参加した広告主の間では、測定ツールの不足や広告表示頻度の低さが課題として指摘されているという。

Anthropicは、Claude CodeにTelegramとDiscordの連携機能「Claude Code Channel」を追加した。開発者は移動中でもメッセージングアプリ経由でClaude Codeに直接指示を出せるようになる。

Googleは、クラウド型生産性プラットフォーム「Workspace」全体にGeminiを統合した。文書要約、メール整理、スケジュール管理などの機能を追加し、AIアシスタント機能「Personal Intelligence」も米国の全ユーザーに拡大する。

中国勢の動きも活発だ。Xiaomiは1兆パラメータ規模のAIモデル「MiMo-V2-Pro」を公開した。25万6000トークン以下の利用では、OpenAIやAnthropicなど米国勢に近い性能を6分の1〜7分の1のコストで提供できるとして注目を集めた。AlibabaはAIエージェントを軸に戦略を組み替え、「Alibaba Token Hub」事業グループを打ち出した。従来のチャットボットより多くのトークンを消費するAIモデルベースのデジタルアシスタントへ重点を移すシグナルとの見方が出ている。

Snowflakeも、データインフラ企業の枠を超え、企業ユーザー向けAIサービスの拡大を急ぐ。2025年に非開発部門の現場担当者を主な対象とする「Snowflake Intelligence」を投入したのに続き、デスクトップ向けAIアシスタント「Project Snowwork」をリサーチプレビューとして公開した。

Microsoftは、AIベースの協業プラットフォーム「Kov」のチームを迎え入れ、ホワイトボード技術を強化する。WordPressはAIエージェントを公開し、執筆、編集、公開に加え、コメント管理やメタデータ修正、タグ・カテゴリ整理まで自動化できるようにした。AIベースのプレゼンテーション・Webサイト制作プラットフォームGammaも、新たな画像生成ツールを追加した。

音声AIを手がけるスタートアップElevenLabsは、リスク評価企業AIUC(Artificial Intelligence Underwriting Company)と連携し、AI音声エージェント向けの包括保険制度「AI Insurance」を運用する。Workdayは、AIベースの知識検索・業務自動化プラットフォーム「Sana for Workday」をグローバル市場で提供開始した。

AIコーディング分野では、急成長するCursorがAnthropicの「Claude Code」に対して競争力を維持できるかも注目点になっている。Claude Codeの台頭が、AIコーディング市場の勢力図を変える可能性があるためだ。

AIエージェントの普及をにらんだ競争も加速している。特に決済分野では、AIエージェントが人手を介さず直接決済できる仕組みを巡り、有力企業の参入が相次いでいる。企業向けAIエージェント市場では、OpenAIとAnthropicがプライベートエクイティ(PE)ファンドと合弁会社を設立し、投資先ポートフォリオ企業へのAI提供を進める姿勢も示している。

AIの課金モデルが定額制から従量課金へ移る流れは、単なる価格改定にとどまらない。企業向け市場では、導入支援、開発環境、業務統合、決済基盤まで含めた総合力が問われる局面に入りつつある。

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