国家政策調整会議で発言するキム・ミンソク首相。写真=聯合ニュース

政府が第2次公共機関の地方移転に向けた検討を本格化させている。全数調査を基に対象機関を選定し、早ければ2027年から段階的に移転を進める案が浮上するなか、KDB産業銀行やIBK企業銀行など政策金融機関が候補に含まれるとの見方が広がり、金融界の警戒感が強まっている。

16日、関係省庁と金融界によると、政府は公共機関を一斉に調査したうえで、第2次地方移転の対象機関を選ぶ方向で検討を進めている。首都圏への産業・人口集中を和らげ、国家の均衡ある発展につなげるのが狙いだ。

政府はこのほど開いた国家政策調整会議で、「第2次公共機関移転の推進状況および今後の計画」を点検したとされる。移転対象から除外する基準はできるだけ絞り込み、第1次移転時に「業務特性」を理由に首都圏に残った機関についても、例外扱いを改めて見直す方針という。

これに関連し、キム・ミンソク首相は「首都圏残留は最小限にとどめ、分散ありきの配置は避けるのが政府方針だ」としたうえで、「第1次移転で得られた成果と教訓を踏まえ、移転の例外基準も原点から見直す」と強調した。

こうした方針を受け、金融界では政策金融機関が有力な検討対象になるとの観測が出ている。首都圏に残る主要な公共機関のなかで、金融機関の比重が大きいためだ。

具体的には、KDB産業銀行、IBK企業銀行、KEXIM(Export-Import Bank of Korea)といった国策銀行のほか、KDIC(Korea Deposit Insurance Corporation)、K-SURE(Korea Trade Insurance Corporation)、KIC(Korea Investment Corporation)、KODIT(Korea Credit Guarantee Fund)などが候補になり得るとの見方がある。さらに、農協中央会や水協中央会など協同組合の中央組織まで議論の対象に含まれる可能性があるとの声も出ている。

金融界では、とりわけKDB産業銀行が対象に入るかどうかが最大の焦点とみられている。同行を巡っては、過去の釜山移転推進の過程で労使対立や人材流出が表面化した経緯があり、今回も移転論議が再燃すれば関心が集中しそうだ。

政策金融機関の業務特性を踏まえると、移転によって業務運営の効率が損なわれるとの懸念も根強い。政府省庁や企業、金融会社との連携が多く、ソウルの金融集積地から物理的に離れれば、意思決定のスピードや実務効率に影響が及ぶ可能性があるためだ。

もっとも、現時点では移転対象機関が確定していないことから、金融界には当面は推移を見極めようとの空気もある。

金融界関係者の一人は「現段階では複数の可能性が取り沙汰されているだけで、実際の対象機関が決まったわけではない」としたうえで、「政府の全数調査の結果と選定基準が公表される時点が、本格的な論争の分岐点になる」と話した。

労組は反発を強めている。全国金融産業労働組合は声明で、「第1次公共機関地方移転に対する客観的な評価と社会的合意がないまま再び移転を進めれば、政策の信頼性を損なう」として、第2次移転の中止を求めた。

同労組は、政策金融機関の移転が金融産業の競争力を弱めかねないと主張する。金融産業ではネットワークと集積効果が重要であり、主要な政策金融機関を首都圏から切り離せば、金融機能そのものの弱体化につながりかねないという立場だ。

特に労組は、「地方選挙まで残り3カ月という時期に公共機関移転を急ぐのは、特定地域の票を狙った選挙向けポピュリズムとみるほかない」と指摘した。

労組はすでに「地方移転共同対応タスクフォース(TF)」を立ち上げ、対応体制を整えた。政府が政策推進を強行した場合には、強硬な闘争に踏み切る可能性があると警告している。

一方、実際の移転対象機関が固まるまでにはなお時間がかかるとの見方もある。政府が公共機関の統廃合も並行して進めており、組織再編と移転対象の選定が一体で検討される可能性があるためだ。

金融界では、今後の全数調査の結果と移転基準の公表時期を契機に議論がさらに広がるとみる一方、懸念も一段と強めている。

別の金融界関係者は「移転論議が本格化すれば、人材流出などを通じて組織の安定性に影響が及ぶ恐れがある。政府には慎重な対応が求められる」と述べた。

さらに別の関係者は「第1次公共機関の地方移転が実際にどれだけ効果を上げたのか、実効性には疑問が残る」としたうえで、「KDB産業銀行の釜山移転を巡る議論でも離職者が多く出た事例があり、高度人材の流出は避けにくい。結果として企業競争力の低下につながりかねない」と懸念を示した。

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