画像=OpenAI

OpenAIが「GPT-5.3 Instant」で過剰な共感表現の抑制を打ち出す一方、実際の比較検証では不自然さがなお残ることが示された。米TechRadarは6日(現地時間)、GPT-5.2とGPT-5.3 Instantに同一プロンプトを与えて応答を比較した結果、回答は簡潔になったものの、過度な慰めや大げさな受け止め方は完全には解消していないと報じた。

検証では、GPT-5.3 Instantは前世代のGPT-5.2より感情的な反応を抑え、解決策をより素早く提示する傾向を示した。例えば「再利用できる買い物袋をまた失くした」という問いに対し、GPT-5.2は不要な慰めを並べたのに対し、GPT-5.3 Instantはより直接的な対処法を示した。ただ、それでも「習慣を崩すと罪悪感を覚えることがある」といった情緒的な言い回しは残ったという。

「教室にいる10代に説明するように量子コンピューティングを説明してほしい」というプロンプトでも違いがみられた。GPT-5.2は過剰な慰めや比喩を交えた不自然な応答だったのに対し、GPT-5.3 Instantは説明をより簡潔に整理した。ただし、新モデルでも無理に親しみやすさを演出したような、ぎこちない語り口は解消していないとされた。

OpenAIが強調してきた、短い入力から文脈をくみ取る能力についても比較が行われた。「さっきトーストを焦がしました」という短文に対し、GPT-5.2は必要以上に深刻に受け止め、「焦げたトースト1枚があなたの人生や能力を決めるわけではない」と返答。冗談かどうかを問われても深刻な調子を崩さず、「小さな挫折もやり直す機会だ」と説明したほか、焦げ味をごまかすトッピングまで勧めたという。TechRadarは、こうした応答を過剰な意味づけだと評価した。

GPT-5.3 Instantは、こうした過剰反応をある程度抑えた。ただし回答は「トーストを焦がすのは誰にでもあることだ」といった慰めから始まり、似た助言を続けたほか、新しいトースターの購入にも触れるなど、なお状況を大きく捉えすぎる傾向がみられたという。

Web検索機能の改善も限定的だった。「今年の人工知能(AI)で最も驚くべき進展を説明してほしい」との依頼に対し、GPT-5.3 InstantはGPT-5.2より具体的に答えたものの、複数の情報源を統合する力はなお弱いと評価された。「食器洗い機から悪臭がする」という質問でも、GPT-5.2より早く解決策を示す程度にとどまったという。

GPT-5.3 Instantは、前世代より短く素早く回答をまとめる方向に進んだ一方、OpenAIが削減を目指した過剰な共感を完全には拭えていないようだ。不要な慰めや誇張気味の共感、状況に比べて重く受け止めすぎる応答がなお残っており、より自然で節度ある対話の実現には追加の改善が必要だとみられる。

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