米金融大手Morgan Stanleyは、人工知能(AI)の活用を広げながらも、資産管理事業では人の関与と顧客との信頼関係が引き続き中核になるとの考えを示した。第3四半期決算では純収益が203億ドル、資産管理部門の純収益が91億ドルに達し、業績は堅調だった。
American Bankerが14日付で報じたところによると、テッド・ピックCEOは第3四半期決算発表後のカンファレンスコールで、資産管理事業について「人が中心のビジネスだ」と述べた。
ピックCEOは、AIが顧客の投資判断や金融上の意思決定を支える前段階の業務の多くを担えるとしつつも、「最終的に重要なのは、顧客が自らの金融アドバイザーをどれだけ信頼しているかだ」と強調した。
Morgan StanleyはAIの活用に積極的だ。データセンターなどAIインフラの構築に向けた資金提供を進める一方、社内業務にもAIを導入し、生産性と業務効率の向上を図っている。
資産管理分野では、2023年からOpenAIと協業し、金融アドバイザー向けの生成AIツールを開発・運用してきた。AIを人員の代替ではなく、業務を支援する手段として位置付ける戦略だ。
業績面では、第3四半期の純収益が203億ドルとなり、前年同期の182億ドルから11.6%増加した。
純利益は49億ドルで前年同期比6.5%増。1株当たり利益は3.03ドルで、市場予想を上回った。
資産管理部門の純収益は91億ドルと四半期ベースで過去最高を記録した。純新規資産流入額は2324億ドルで、前年同期比187%増。IPO関連の資金流入が成長を後押しした。
機関証券部門の純収益も約100億ドルと、前年同期比17.7%増えた。一方、投資運用部門の純収益は約15億ドルに減少した。
ピックCEOは、AI産業の成長が金融業界に新たな事業機会をもたらすとの見方も示した。ただ、資産管理事業の競争力は先端技術だけで決まるものではなく、顧客と長年築いてきた専門性と信頼に支えられているとの認識を示した。