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米政府が、急増する電力需要への対応に向けて送電網の増強を進める。対象は26州の31事業で、総事業費は52億5000万ドル(約7875億円)。このうち米エネルギー省(DOE)が19億ドル(約2850億円)を負担し、送電容量を23GW超積み増す計画だ。

9月30日(現地時間)付のTechRadarによると、DOE電力局は送電網整備支援プログラム「SPARK」を通じて31事業を採択した。総事業費52億5000万ドルのうち、DOE拠出分は19億ドルで、残る33億5000万ドル(約5025億円)は電力会社や協同組合、州政府機関などの事業主体が負担する。連邦負担の比率は約36%となる。

DOEは、1500マイル(約2414キロ)超の送電線を再構築し、約2万1000マイル(約3万3796キロ)で送電網の高度化技術を導入する方針だ。これにより、送電容量を23GW超増やす。DOEは、約1億人の米国民が送電網の信頼性向上とコスト面の双方で恩恵を受けるとの見通しを示した。

今回の決定は、補助金交付の最終確定ではなく採択段階にとどまる。DOEは10月から来年1月にかけて協約を締結する見通しだが、事業の進捗に応じて支援額を見直したり、打ち切ったりする可能性もある。財源には、2021年のインフラ投資・雇用法に基づく「送電網レジリエンス・イノベーション・パートナーシップ(GRIP)」の第3次支援ラウンドが充てられる。

DOEの公式発表では、人工知能(AI)やデータセンターは前面に押し出されなかった。一方で、上位政策に当たる「Speed to Power」は、AI分野の競争力確保と大規模な電力需要への対応を目的としている。31事業のうち、AIやデータセンターを直接の対象として明記した案件は3件で、総額は約3億7100万ドル(約557億円)。このほかの大型案件でも、データセンターや工場などの新たな大口需要を受け入れるための送電網拡充に重点を置く事業が含まれる。

もっとも、焦点の一つは費用負担の配分だ。連邦支援によって電力会社の負担は軽減される可能性がある一方、データセンターなどの大口需要家が追加の送電網コストをどの程度負担するのかは、今回の発表だけでは明らかではない。家庭向け電気料金への影響も、今後の地域ごとの料金規制や費用配分の仕組みに左右される見通しだ。

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