写真=DoWCTOのX投稿より

米国防総省は、将来の戦場で必要となる武器や技術を見極める新たな諮問プロジェクト「プロジェクト・メリディアン」を始動した。イーロン・マスク氏、パルマー・ラッキー氏、ニュート・ギングリッチ氏らの助言を受け、将来戦で米国の技術的優位を維持するための能力を検討する。

複数の海外メディアによると、国防総省は9月30日(現地時間)、「プロジェクト・メリディアン」を通じて将来の戦場を調査すると明らかにした。米軍が優位を保つうえで必要な武器・技術を特定し、開発、試験、配備に向けた具体策を提案する。

ピート・ヘグセス国防長官は委嘱文書で、同プロジェクトについて「将来の戦場を研究し、戦闘員がその環境で優位を確保するために必要な武器と技術を明確にする」と説明した。あわせて、関連能力の開発や試験、実際の配備につなげる実行可能な方策を示し、優位の維持を図る考えを示した。

プロジェクトには、SpaceXAIの最高経営責任者(CEO)を務めるイーロン・マスク氏、Andurilの共同創業者であるパルマー・ラッキー氏、元米下院議長のニュート・ギングリッチ氏らが参加する。3氏はいずれも米軍での勤務経験はない。

一方で、SpaceXAIとAndurilはすでに国防総省と契約関係にあり、契約総額は最大41億6000万ドル(約6240億円)に上るという。

ギングリッチ氏はテクノロジー業界との直接的な結び付きは明確ではないものの、複数の軍関連プロジェクトに関与してきた。昨年にはエア・ユニバーシティから名誉博士号を授与されている。

国防総省は、同プロジェクトを単なる将来予測にとどめず、武器・技術の開発、試験、配備に直結する提言につなげる方針だ。将来戦で必要となる能力を早期に定義し、関連技術の戦力化に向けた準備を進める狙いがある。

プロジェクトは120日以内に完了し、公開報告書と機密扱いの付属報告書を取りまとめる予定としている。

今回の立ち上げは、国防総省の技術活用や意思決定を巡る論争が続く中で行われた。今年は、Signalのチャットに記者が含まれた状態で機密の戦争計画が共有された事案があった。人工知能が生成した報告書が軍事判断に使われ、中国船舶を対象とする作戦につながりかけたケースも報じられている。

Anthropicを巡っても対立があった。国防総省は、同社がAIモデルの一部利用制限を維持したことを受け、国家安全保障上のサプライチェーンリスクに指定したが、8月に米連邦裁判所はこの措置を違法で根拠がないと判断した。

その後、別の控訴審では、国防総省による指定に関連する別件で国防総省側に有利な判断が示されるなど、法的な争いは続いている。

こうした状況の中で、マスク氏とラッキー氏が将来の軍事技術需要に直接助言することを巡っては、利害関係の観点から見方が分かれる可能性もある。両氏が率いる企業が、すでに国防総省と大規模な契約を結んでいるためだ。

もっとも、諮問の具体的な範囲や、その結果が実際の国防調達や新規契約にどう影響するかは、現時点では明らかになっていない。

今後の焦点は、プロジェクト・メリディアンがどの技術を将来戦の中核能力に位置付けるかにある。人工知能、自律化、ロボティクスなどの先端分野が開発、試験、戦力化へ進めば、米国の国防技術調達の方向性にも影響を与える可能性がある。

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