ビットコイン(BTC) 写真=Shutterstock

ビットコインが投資対象にとどまらず、機関投資家向けの金融インフラとして位置付けられ始めている。投資銀行TD Cowenは、機関投資家の関心が買い増しから、カストディや商品組成、運用基盤の整備へ広がっているとの見方を示した。

メディアのBitcoin Magazineが9月30日(現地時間)に報じた。TD Cowenは、米ニューヨークで今週開催された「Bitcoin Treasuries Conference」への参加後に公表したメモで、機関投資家の関心がビットコインの取得そのものにとどまらないと指摘した。

同社は、市場の構造変化として、ビットコインを取り巻くインフラの拡大を挙げた。ビットコインは「投資可能な資産」という枠を超え、新たな資本市場活動を支える金融基盤へと役割を広げつつあるという。焦点はビットコインそのものより、その周辺で整備が進むエコシステムにあるとしている。

TD Cowenは、ビットコインの次の成長段階として、資本市場インフラを支える機能に注目した。機関投資家の参入が広がるほど、カストディや商品組成、運用基盤といった関連市場も拡大するとの見立てだ。報告書では、「最も興味深い対話は、必ずしもビットコイン自体ではなく、その周辺で構築されつつあるエコシステムに関するものだった」と記した。

こうした流れは、既存の金融機関の動きとも符合する。Bitcoin Magazineは、世界の主要銀行が足元でビットコイン関連技術への関与を強め、顧客向けの暗号資産商品を提供したり、自社サービスの効率化に活用したりしていると伝えた。機関向けサービスの拡大は、現物保有にとどまらず、金融商品やサービス基盤にビットコインを組み込む動きといえる。

財務戦略の中核にビットコインを据えてきたStrategyも、こうした方向性を継続的に訴えてきた。ナスダック上場の同社は、金融分野でビットコインが他の商品を支える基盤になり得ると主張しており、現在は投資家に配当を支払う優先株を提供している。ビットコインを単なる保有資産ではなく、金融商品の設計に組み込む事例として位置付けられる。

カストディ市場でも、機関投資家向けへのシフトが進む兆しが出ている。TD Cowenは、より大きな資本が市場に流入するにつれ、ビットコインのカストディ体制が一段と機関投資家対応へ傾いているとみている。

実際、銀行によるカストディ事業は広がっている。米BNY Mellonは2022年、米大手銀行として初めてデジタル資産カストディサービスを開始した。Deutsche Bankも今月、欧州の企業・機関投資家向けに、2026年後半からビットコインのカストディサービスを提供する計画を発表した。機関マネーの流入が進むほど、保管体制の標準化と大手金融機関の参入が重要性を増すことを示している。

TD Cowenは、こうした動きを踏まえ、ビットコインが独立した資産から、より広範な金融エコシステムの一部へ進化していると評価した。今後の注目点は価格そのものよりも、機関投資家がどのような商品やサービス、カストディ体制をビットコインの周辺に築いていくかに移る可能性が高いとしている。

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