写真=Metaのロゴ

Metaの株価が9月に27%上昇し、2022年以降で最大の月間上昇率を記録した。個人向けAIエージェント「Muse」の利用拡大に加え、年次開発者イベント「Meta Connect」でAI戦略を鮮明に打ち出したことが株価を押し上げた。米CNBCが9月30日(現地時間)に報じた。

同日の終値は725.18ドル(約10万9000円)で、8月末終値の572.34ドル(約8万6000円)から大きく上昇した。足元では、AI事業の成長期待が株価の支援材料になっているとの見方が出ている。

市場で特に注目を集めているのが、Metaが9月8日に投入した個人向けAIエージェントアプリ「Muse」だ。iOSでのダウンロード数がOpenAIの「ChatGPT」を上回り、急速に利用が広がったという。

Metaは9月の年次開発者イベント「Meta Connect」でも、AIを事業戦略の中心に据える姿勢を明確にした。マーク・ザッカーバーグ氏は、Museを製品・事業戦略の中核に位置付ける考えを示し、「Muse Charm」と呼ぶAIペンダントなどの新型ハードウェアも披露した。AIを単なる機能追加にとどめず、主力製品群やハードウェアと結び付ける戦略が市場の期待を高めた格好だ。

競争環境も一段と厳しさを増している。Metaが立ち上がり期にあるAIエージェント市場で大きな事業機会を狙うなか、OpenAIも9月29日にエージェントツール「Dots」を投入した。

Metaはあわせて、新たな事業部門「Meta Enterprise Platform」を設立した。トップにはMongoDBの最高経営責任者(CEO)を務めたCJ・デサイ氏を起用した。さらに、中小企業向けのエージェント技術「Muse for Small Business」も公開しており、個人向けでの勢いを企業向け市場へ広げる段階に入っている。

市場では、Metaの強みは個人向けサービス基盤にあるとの見方が根強い。Bank of America Global Researchは9月29日付のリポートで、企業向けAIソリューション市場はクラウド容量を含め、2028年までに1兆ドル(約150兆円)を超えると予測した。そのうえで、Metaが持つ個人データやコミュニケーションアプリの基盤は、消費財企業を中心とした法人向けAI営業で優位性につながる可能性があると指摘した。

同リポートは、MetaのモデルAPIが主要ハイパースケーラーのプラットフォームで提供される見通しにも言及した。

今回の上昇は、Meta株の過去数年の値動きと比べても異例だ。これを上回る月間上昇率を記録したのは、OpenAIがChatGPTを投入した2022年11月だけだという。当時のMetaは大規模なコスト効率化を本格化させ、急落局面から持ち直していた。

9月の上昇率は、Metaの過去の月間騰落率で5番目の大きさだった。同期間には他の大手ハイテク株をすべて上回り、約2%高にとどまったナスダック指数の上昇率も大きく超えた。

市場の関心は今後、Metaが個人向けAIアプリのヒットを一時的な現象で終わらせず、企業向けプラットフォームやAIエージェント市場へと展開を広げられるかに移りつつある。Metaはこの1カ月で、個人向けサービス、ハードウェア、中小企業向け技術、エンタープライズ組織の新設を相次いで打ち出しており、AI事業の拡大ペースを速めている。

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