Microchip Technologyは9月30日、10BASE-T1S対応トランシーバ「LAN8679」「LAN8680」と、統合エンドポイント製品群「LAN8660X/1X/2X」を発売したと発表した。車載ゾーンアーキテクチャや産業分野での採用を見込み、配線の簡素化や部品点数の削減を後押しする。
新製品群は、車両内の機能をゾーン単位で制御するゾーンアーキテクチャに対応する。自動車部品の信頼性規格「AEC-Q100」と車載機能安全規格「ISO 26262」への適合を見据えて設計した。
同社によると、自動車や産業機器、ロボティクスの各分野では、イーサネットベースのネットワークへの移行が進む一方で、システム構成の簡素化や配線の複雑さの低減、エッジノードの統合が課題となっている。今回の製品投入により、マルチドロップ接続に対応した標準化インターフェースを備えるソリューションを追加し、「VelocityDRIVE」ポートフォリオを拡充した。
「LAN8679」は、8ピンの小型VDFNパッケージを採用し、OPEN Allianceの3ピンインターフェース「OA3P」に対応する。ピン数を抑えて設計負荷を軽減し、実装スペースに制約のあるエッジノードでの利用を想定する。
「LAN8680」は、これにシステムベーシスチップ機能を加えた製品だ。電源管理、スタンバイ制御、省電力制御、ウォッチドッグ監視を1チップに集約した。両製品とも、車載や産業用途など厳しい環境での信頼性と安全性を重視して設計したとしている。
エンドポイント製品群の「LAN8660X/1X/2X」は、PMDトランシーバを単一チップのリモート制御プロトコルソリューションに統合した。外付けPHYを使わずに、制御システムや照明、オーディオ向けのエッジノードを構成できるため、ノードごとに個別部品を追加していた従来方式に比べて部品点数を削減できるという。
10BASE-T1Sのマルチドロップトポロジーでは、1本のバスを複数ノードで共有でき、一般に8ノード以上の接続を想定する。配線重量やシステムコストの抑制に加え、ゲートウェイを介さずにセンサーやアクチュエーターをネットワークエッジへ直接接続しやすくなるとしている。拡充したシングルペアイーサネットのポートフォリオは、車載ゾーンアーキテクチャのほか、産業オートメーション、ロボティクス、航空宇宙・防衛システム向けの用途も視野に入れる。
Microchipのネットワーキング・コネクティビティ事業部で副社長を務めるチャーリー・ポニー氏は、「最新の10BASE-T1Sポートフォリオは、スケーラブルなオールイーサネット型ネットワークアーキテクチャの実現に向けた当社の継続的な取り組みを示すものだ」とコメントした。さらに「これらのデバイスは、OA3Pインターフェースのシンプルさと統合エンドポイント機能を組み合わせることで、開発者がエッジ側の複雑さを大幅に抑えながら、効率的で信頼性の高いシステムを構築できるようにする」と述べた。