イーサリアムが9月に2桁上昇を維持している。もっとも、3000ドル回復には2700〜2800ドルの上値抵抗帯を明確に上抜けられるかが焦点となっている。機関投資家の買いが相場を支える一方、長期保有者の利確や大口の売却も重荷となっている。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、イーサリアムは29日時点で2690ドル前後で取引され、9月初めに比べて約11%高い水準を保った。
8月の上昇率は32.6%。9月に入っても堅調地合いが続いた。月初は2419ドル近辺で始まり、3日には一時2358ドルまで下落したが、その後は持ち直し、中旬以降に上げ足を速めた。
18日には前日比6.7%高の2612ドル前後まで上昇。21日には4.9%高で2775ドルを上回り、一時2805ドルまで買われて9月の高値を付けた。
ただ、足元の値動きは一段高というより、急反発後の持ち合いに近い。過去1週間は2650〜2750ドル中心の推移となっており、市場では2700〜2800ドルを次の方向感を左右する上値の節目とみる向きが多い。
テクニカル面では、6月安値以降の地合い改善が続いている。従来の2400〜2550ドルのレンジは上放れし、短期の下値支持線は2350〜2400ドル、長期移動平均線が集まる2180〜2250ドル帯が中長期の下値メドとされる。
需給面では、機関投資家の買いが支援材料だ。アーカム・インテリジェンスのデータによると、BlackRockのイーサリアム現物ETF関連では、過去20日間で15億ドル(約2250億円)超相当の買いが入った。
内訳はETHAが約12億7000万ドル(約1905億円)、比較的新しいETHBが約2億9650万ドル(約445億円)。BlackRockの保有量は17日時点で約356万ETH、金額ベースで約86億9000万ドル(約1兆3035億円)規模と集計された。
一方、上昇局面では長期保有者の利確も確認された。約9年間休眠していた初期投資家のウォレットが再び動き始めたという。
このアドレスは2017年に平均18.80ドルで3000ETHを取得。その後、平均3096ドル水準で2000ETHを売却し、約619万ドル(約9億2850万円)を確保した。残る1000ETHは、当時の価格基準で約267万ドル相当とされた。
大口の移動も続いた。2023年からイーサリアムを保有していた投資家は、9月最終週に11万2000ETH(約3億ドル、約450億円)相当をBitfinexに移した。
別の4万2005ETH(約1億1190万ドル、約168億円)相当は、店頭取引(OTC)で売却されたと伝えられた。機関投資家の買いが入る一方で、大口の売りも同時に出ている構図だ。
四半期ベースのパフォーマンスは強かった。CryptoRankのデータによると、イーサリアムの2026年7〜9月期の騰落率は約72.7%で、同社集計ベースでは第3四半期として最も強い成績となった。
2026年1〜3月期は29.1%安、4〜6月期も25.3%安だったため、7〜9月期の反発が際立った格好だ。
暗号資産アナリストのアリ・マルティネス氏は、過去に類似の三角持ち合いを上放れた後、3日間で31%上昇した例を挙げた。その上で、2474ドル突破が3000ドルに向かう展開につながる可能性があると指摘した。ただ、あくまでテクニカル上のシナリオであり、確定的な目標値ではないとしている。
オンチェーンでは、クジラとされる大口投資家が3億ドル(約450億円)超相当のイーサリアムを取引所アドレスからコールドウォレットへ移したことも確認された。市場では、短期的な流通量を減らすシグナルとして受け止められている。
10月の焦点は、9月の反発が第4四半期全体の上昇につながるかどうかに移る。市場には「アップトーバー」への期待も残るが、イーサリアムの10月リターンは過去一貫して強かったわけではない。
このため、3000ドルに挑戦できるかどうかは季節性よりも、2700〜2800ドル突破の可否、機関需要の持続性、大口保有者の利確ペースに左右される見通しだ。