Bitcoinが8万2500ドルを下値支持として維持できるかが、市場の焦点となっている。機関投資家向け流動性プロバイダーのWintermuteは、この水準を明確に割り込めば、XRPやEthereumを含むアルトコインの上昇基調が鈍る可能性があると分析した。今週発表予定の米雇用統計も、リスク資産全体の地合いを左右する重要材料になるとみられている。
ブロックチェーンメディアのU.Todayによると、Wintermuteは29日(現地時間)、足元でアルトコインの反発が続いている一方、市場の方向感は最終的にBitcoinが上放れを定着できるかどうかに左右されるとの見方を示した。
直近の第39週のアルトコイン指数は5.0%上昇し、Bitcoinの4.1%上昇を上回った。ただ、Wintermuteは個人投資家の楽観はなお早計だとみている。
注目点は、Bitcoinが昨年11月以来初めて50週移動平均線を上回る週足終値を付けた後、その水準を下値支持として定着させられるかどうかにある。
市場が注視する価格帯は8万2500ドルだ。長く続いたボックス圏の上限に当たり、Wintermuteはこの水準を維持して初めて、直近の週足終値が一時的な上振れではなく、新たな下値メドとして機能し得ると指摘した。
一方で、この価格帯は短期間に何度も試される可能性があるとし、再び終値ベースで下回れば、ブレイクアウトそのものの信頼性が揺らぐ可能性があるとも付け加えた。
デリバティブ市場では、大口投資家のポジションに変化も出ている。短期のヘッジを減らし、年末時点で12万6000ドルを目標とする長期のコールオプションへ資金を移す動きが一部で確認された。
これは、Bitcoinの一段高に対し、比較的低コストで上昇を狙うポジションにシフトしていることを示す。
一方、現物市場では投資家の動きが割れている。OTCデスクでは、個人投資家がBitcoinを売って利益確定した後、明確な上抜けを確認する前に、XRPやEthereumなどのアルトコインへ資金を振り向ける動きが見られた。
同時に、上昇銘柄の裾野も広がり過ぎた。過去の類似局面では、Bitcoinが上昇基調を確認できなかったケースの80%で、アルトコインは長期の横ばい、あるいは調整局面に入ったという。
Wintermuteは、Bitcoinが一段高となって初めてアルトコインへの資金循環が再開し、新規資金の流入も期待できるとみている。それまでは、実物資産連動(RWA)トークンから人工知能(AI)関連トークンへと物色が移った最近の流れのように、セクター間の短期的な資金移動にとどまる可能性が高いと分析した。
マクロ環境も一方向の追い風ではない。米10年国債利回りは2007年以降で最高水準となる5%を超え、米連邦準備制度理事会(Fed)は25bpの利上げを決定した。
伝統的資産では、ナスダックのみが3.3%上昇して底堅さを示した一方、金は1.9%下落し、長期債も2.4%安となった。
商品市況も変動要因となっている。ホルムズ海峡を通過する物流量が半減し、ブレント原油は1バレル103ドルまで上昇した。
ブレント原油が100ドル超で推移すれば、Fedが10月に再び利上げに踏み切るとの懸念もくすぶる。
こうした中でも、Bitcoinは現物ETFへの資金流入に支えられた。Bitcoin現物ETFには先週月曜日、2026年で最大となる9億9900万ドルが流入したが、金曜日には1億5000万ドルへ鈍化した。
当面の市場の確認ポイントは2つある。Bitcoinが8万2500ドルを下値支持として固められるかどうか、そして今週発表される米雇用統計がリスク資産選好にどの程度影響するかだ。
XRPやEthereumを含むアルトコインの値動きも、この2つの条件次第で改めて評価される公算が大きい。