画像=OpenAI

OpenAIは29日(現地時間)、常時稼働のAIエージェント「Dots」を発表した。4000以上のアプリと連携し、バックグラウンドで複数の作業を継続できるのが特徴で、一部市場のChatGPT ProおよびBusiness Premiumユーザー向けに提供を開始する。

同社は年次開発者イベント「DevDay」でDotsを公開した。利用者の嗜好や作業スタイルを学習し、使うほど応答や作業の進め方を個別に最適化していくとしている。

Dotsは「GPT-6 Astra」を基盤とし、OpenAIのクラウドコンピュータとWebブラウザを通じて4000以上のアプリに接続できる。ユーザーは作業を任せたうえで、メッセージで進捗を確認したり、必要に応じて追加の質問に答えたりできる。複数のタスクを同時に進め、追加の指示がなくても目標達成に向けて処理を継続できる点を特徴とする。

利用できるのはWeb、デスクトップ、モバイル向けのChatGPTで、メッセージ形式の会話と音声通話の両方に対応する。SlackやMicrosoft Teamsとも連携し、アプリや端末をまたいでも作業コンテキストを引き継ぐ。OpenAIは今後、メッセージによる直接対話機能も追加する予定としている。

想定する用途は幅広い。アプリ開発では、顧客フィードバックから反復的な課題を洗い出し、修正や機能開発、テストまでをDotsに任せられるという。変更内容を反映した動画とともに、レビュー可能な成果物を提示するとしている。

コンテンツ制作では、インタビュー台本から動画クリップに使う部分を抽出し、ショーノートやソーシャルメディア投稿の作成を支援する。科学分野では、新たなデータを論文に反映し、分析結果や図表を更新する作業も担えるとしている。

Dotsが利用するクラウドコンピュータは、ユーザーがいつでも開いて作業過程を確認できる。必要に応じてユーザーのノートPCに接続し、共同作業の権限を付与することも可能だ。対応サイトへのログイン時には保存済みパスワードを利用できるが、パスワード自体がモデルに露出することはないとしている。

ユーザーが直接操作していない間でも、Dotsは接続済みアプリを使って必要な作業を見つけられる。OpenAIはこの機能を「能動的調査」と呼ぶ。この過程では接続アプリを読み取り専用で使用するため、メッセージ送信やアプリ内容の変更、ブラウザやコンピュータの直接操作は行えないとしている。

安全機能も強化した。Dotsには、自律的に実行できる操作と、ユーザーの承認を必要とする操作を切り分ける基本ルールを適用する。ユーザーは特定の行動について、許可・遮断や承認必須といった条件を「カスタムルール」として設定できる。

「自動レビュー」機能では、アカウントに影響する操作や情報共有が、ユーザーのルールと安全要件に合致しているかを確認する。そのうえで、作業を継続するか、承認を求めるか、ユーザーに引き渡すかを判断する。パスワード変更など一部の機微な操作は、常にユーザー本人が直接行う必要がある。

Dotsの公開は、MetaがカスタムAIアシスタント「Muse」を披露してから数週間後となる。MuseもWeb検索や購入、文書作成、目標追跡などを担うAIエージェントだが、安全性を巡る懸念も指摘されている。あるユーザーは、Facebook Marketplaceの取引相手に自宅住所が同意なく送信されたと主張した。

現時点では、ユーザーは基本となるDotsを1つ作成でき、名前を付けて任意の方式で設定できる。OpenAIは今後、複数のDotsを同時運用できるようにし、それぞれの処理速度や月間処理量も引き上げる計画だ。共同利用向けの協業スペース「ChatGPT Space」も提供する。

企業内の特定業務を担う「専門家型Dots」の試験運用も進めている。企業が各Dotsに個別のアイデンティティー、資格情報、システムアクセス権を与え、調達や請求書処理、顧客支援などを担わせる仕組みで、現在は企業向けパイロットとして展開しているという。

Dotsは29日から、一部市場のChatGPT ProおよびBusiness Premiumユーザー向けに提供する。Enterprise、Edu、Healthcareでは、管理者が有効化すればベータ版を利用できる。最初のDotsはProとBusiness Premiumの料金プランに追加費用なしで含まれる。

Dotsとの会話はChatGPTの利用量上限には算入されない。一方で、DotsがCodexやChatGPT Workで開始または管理する作業については、それぞれの利用量上限が適用される。

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