Appleが今月発表した「AirPods 5」は、アクティブノイズキャンセリング(ANC)への対応によって、エントリークラスの完全ワイヤレスイヤフォンとしての魅力を高めた。一方、上位モデルの「AirPods Pro 3」は、健康機能や装着方式、ノイズ制御性能で引き続き差別化を図っている。
9月28日付の9to5Macによると、両製品の違いは価格だけではない。デザイン、健康機能、聴力関連機能、ANC性能など、使い勝手全般に差があるという。
まず大きいのが装着方式の違いだ。AirPods 5は耳に軽く載せるオープン型を採用する。これに対し、AirPods Pro 3はイヤーチップ付きのカナル型で、耳の内側に密着させる設計となっている。
オープン型は外音を自然に取り込みやすく、圧迫感も比較的少ない半面、耳の形によって装着感や安定性に差が出やすい。AirPods Pro 3はイヤーチップで密着性を確保するため、より安定した装着感を得やすいとしている。
健康機能では、AirPods Pro 3が優位とみられる。AirPods Pro 3は心拍数測定に対応し、運動中の心拍データを取得できる。Apple Watchと組み合わせれば、両デバイスのデータを連携させ、運動状況に応じた活用が可能だという。
特に、ウエイトトレーニングのように手首の位置が頻繁に変わる運動では、AirPods Pro 3が補完的な測定デバイスとして役立つ可能性がある。AirPods 5は心拍数測定には対応しない。
AppleはiOS 27で「GymKit」の機能も拡充した。iPhoneとAirPodsを組み合わせることで、Apple Watchに近いワークアウト追跡体験を提供する方向でエコシステムを広げたとしている。スマートウォッチを装着せずに運動するユーザーも想定した機能だ。
聴力関連の機能もAirPods Pro 3に集約されている。AirPods Pro 3は聴力テスト、補聴器機能、聴力保護に対応する。聴力テストは約5分で完了し、ユーザーの聴力状態を確認。その結果を基に個別のサウンドプロファイルを作成し、補聴器機能に反映できるという。
聴力保護は、大音量環境に長時間さらされる場面での保護を念頭に置いた機能だ。AirPods 5には、こうした聴力関連機能は搭載されない。
オーディオ性能やノイズ制御でも、Proモデルの優位性は続く。AirPods Pro 3はAirPods 5よりバッテリー駆動時間が長く、充電ケースの機能面でも上位に位置付けられているという。
中でも差が大きいのがANC性能だ。Appleは、AirPods Pro 3がAirPods 5の3倍のANC性能を提供すると説明している。AirPods 5はANC初搭載によって、比較的手ごろな価格帯でも周囲の騒音を抑えられるようになった一方、高度なノイズ制御は引き続きProラインに残された格好だ。
こうした違いから、両製品は単純な新旧関係では整理できない。AirPods 5は、オープン型の装着感を維持しつつANCを加え、音楽視聴や通話といった日常用途を強化したモデルといえる。
一方のAirPods Pro 3は、カナル型をベースに、心拍測定や運動トラッキング、聴力テスト、補聴器機能、聴力保護、強力なANCまで備え、健康・フィットネスとノイズ制御の両面で機能を広げた。
そのため、選択の基準は価格だけではない。装着方式の好み、運動データの活用ニーズ、聴力関連機能の必要性、より強い遮音性を求めるかどうかが、両モデルを選び分けるポイントになりそうだ。