国税庁は9月24日、次世代税務システム「KSK2」の正式運用を開始した。マイナンバーと法人番号を基準に個人・法人のデータを統合し、AIを活用した申告内容の検証を強化する。同日付で、ブロックチェーンメディアのCoinPostが報じた。
KSK2は、約25年ぶりとなる基幹システムの刷新に当たる。従来の「KSK」は、所得税や法人税などを税目ごとに管理していたが、新システムでは個人・法人の情報を一元的に扱えるようにした。これに合わせ、AIによる不正申告の検知機能も強化した。
こうした変更は、暗号資産の投資家やトレーダーにも影響しそうだ。税理士事務所のPROGOは、取引所が提出する年間取引報告書や銀行口座の入出金履歴、海外税務当局との情報交換データ(CRS)を基に、暗号資産取引がAI分析の重点的な検証対象になっていると指摘した。
また、国税庁はインターネット上の発信やSNS投稿、オンラインサービスの利用履歴も確認しているという。暗号資産で利益を得たとする投稿と実際の申告データを照合し、税務調査の対象を抽出する動きが強まる可能性がある。
個人・法人データの統合によって、資金の流れも把握しやすくなる。個人が私的会社を通じて投資したケースや、贈与・相続資金で暗号資産を購入したケースでも、所得と資産の不一致を一つの画面で確認しやすくなったという。
このため、暗号資産の投資家は、取引所が発行する年間取引報告書や取引履歴を保管し、利益が出た場合は漏れなく確定申告する必要性が一段と高まった。
一方、KSK2の稼働後は一部の窓口業務で遅延も発生した。納税証明書の交付など税務署窓口で遅れが出たことを受け、国税庁は対象業務を旧システムで代替処理するよう全国の税務署に指示した。