Goldman Sachsの短期国債ファンド「FTIXX」が、暗号資産企業向け決済ネットワーク「Link」を通じて機関投資家向けに提供される。Coinpostが9月29日(現地時間)に報じた。取引執行は、米証券取引委員会(SEC)登録のブローカーディーラーであるtZERO証券が担う。
FTIXXは、運用資産残高が約1000億ドルに上る短期国債ファンド。Linkが外部ファンドを取り扱うのは今回が初めてで、機関投資家向けサービスを手掛ける暗号資産企業30社超に同ファンドへのアクセスを提供する。
今回の特徴は、Goldman Sachsがブロックチェーン向けの新たな専用商品を組成せず、既存のFTIXXをそのまま流通させる点にある。従来のファンド形態を維持したまま、新たな販売・流通チャネルとしてLinkを追加した格好だ。
この仕組みは、BlackRockのトークン化ファンド「BUIDL」やFranklin Templetonの「BENJI」とは異なる。両商品が保有記録をブロックチェーン上のデジタルトークンとして直接発行・管理するのに対し、FTIXXは従来型の管理方式を維持しつつ、Link経由のアクセスのみを開放する。
Linkは米国内の顧客向けに提供されており、システムは「Mosaic」と統合されている。利用企業はtZERO証券と契約したうえで、所定の審査を通過する必要がある。
LinkはAvalancheブロックチェーン上で稼働する許可型ネットワーク。B2C2、Wintermute、Galaxyなど、機関投資家向けの暗号資産企業30社超が参加し、ネットワーク上の資産規模は8900万ドルを超える。
Linkを利用する暗号資産企業は、取引の待機資金を現金のまま寝かせることなく、FTIXXで運用して収益を得られる。必要に応じて即時の引き出しにも対応するという。ジェラルド・デイビッド最高経営責任者(CEO)は、顧客から既存商品とは異なる収益特性を持つ国債資産への需要があったと説明した。