画像=Nasdaq X

宇宙産業に投資する上場投資信託(ETF)で、商品ごとの性格の違いが鮮明になっている。2026年に入り、SpaceXの上場を受けて同社の組み入れ比率がETFごとの値動きやリスク特性を大きく左右しており、「宇宙ETF」という同じ分類でも中身は大きく異なる状況だ。

ブロックチェーン専門メディアのCryptopolitanが25日(現地時間)に報じた。従来の宇宙ETFは、衛星、通信、ナビゲーション、防衛、航空宇宙関連企業を幅広く組み入れる商品が中心だった。一方、足元ではSpaceXを高比率で保有する新興ETFも登場しており、特定銘柄の株価動向に左右されやすい構造が広がっている。

主な宇宙ETFには、Procure Space ETF(UFO)、Tema Space Innovators ETF(NASA)、Roundhill Space & Technology ETF(MARS)、ARK Space Exploration & Innovation ETF(ARKX)、VanEck Space Innovators UCITS ETF(JEDI)などがある。いずれも宇宙関連を主な投資テーマに掲げるが、実際のポートフォリオ構成には大きな差がある。

2019年設定のUFOは、比較的分散の利いた構成を維持している。2026年9月時点の組み入れ銘柄数は52。比率上位はGarminが6.78%、Trimbleが6.75%、SiriusXMが5.55%、Viasatが5.44%、SpaceXが5.07%だった。上位10銘柄で48%超を占めるものの、1銘柄への依存度は相対的に低い。

これに対し、今年3月30日にニューヨーク証券取引所へ上場したNASAは、集中度の高い構成となっている。2026年9月時点の運用資産は10億1000万ドル(約1515億円)で、36銘柄のうちSpaceXの比率が25.5%と最大。Rocket Labが9.94%、AST SpaceMobileが6.86%、Viasatが5.62%で続く。SpaceXとRocket Labの2銘柄だけで35%超を占める。

MARSも、SpaceXへの依存度が高い宇宙ETFの一つだ。SpaceXの組み入れ比率は25.54%で、Rocket Labが9.26%、AST SpaceMobileが6.94%、Viasatが5.06%、Globalstarが5.04%となっている。宇宙産業全般への投資をうたう一方、実際のパフォーマンスは主要組み入れ銘柄、とりわけSpaceXの株価動向に大きく左右されやすい構造といえる。

ARKXは、その中間に位置する商品だ。2021年初めに設定され、2026年9月時点の運用資産は7億5950万ドル(約1139億円)。SpaceXの比率は10.165%で、L3Harris Technologiesが6.83%、Kratos Defense & Security Solutionsが6.42%、Deereが5.37%、Rocket Labが4.89%と続く。AmazonやNVIDIAといった大型テック株も一部組み入れており、宇宙関連株に加えてハイテク株の値動きも反映しやすい。

欧州規制に準拠するUCITS型のJEDIは、比較的分散された構成を示している。2022年6月設定で、2026年9月時点の運用資産は17億ドル(約2550億円)。主な組み入れ銘柄はViasatが9.56%、EchoStarが7.28%、Globalstarが6.52%、Rocket Labが6.31%。SpaceXへの直接的な集中度は、米国の一部新興ETFより低い。

こうした違いは、信託報酬だけでは見えにくい。各ETFの運用報酬はおおむね0.50〜0.75%の範囲に収まるが、実際のリスク特性を左右するのは個別銘柄の組み入れ比率だ。既存ETFが衛星、通信、防衛、航空宇宙インフラ関連を幅広く取り込んできたのに対し、新興ETFではSpaceXを含む一部成長株への集中が目立つ。

未上場企業への間接投資の有無も確認が必要になる。上場前企業への持分を通じたエクスポージャーを持つ商品は、通常の上場株投資に比べて流動性が限られる可能性があるほか、価格形成のタイミングが遅れることもある。資金が一定期間拘束されるリスクにも注意が必要だ。

特定銘柄への偏りは、宇宙ETFの主要なリスク要因の一つといえる。SpaceXなど一部銘柄の比率が過度に高まれば、複数銘柄に分散投資するETFであっても、運用成績は実質的に特定企業の株価に大きく左右される。売買高が十分でない新興ETFでは、市場環境次第で価格変動が一段と大きくなる可能性もある。

宇宙ETFを選ぶうえで重要なのは、「宇宙」というテーマ名そのものではなく、実際のポートフォリオ構成だ。SpaceXの組み入れ比率に加え、上位保有銘柄、銘柄数、運用手法、米国ETFとUCITS商品の構造の違いまで確認する必要がある。

同じ宇宙産業を掲げるETFでも、何をどの程度組み入れるかによって値動きとリスクは大きく変わる。SpaceXを軸に宇宙ETF市場の世代交代が進むなか、投資家にとっては商品名より先に中身を見極める姿勢がこれまで以上に重要になっている。

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