フォルダブルスマホは、大画面とマルチタスク性能を武器に存在感を高めている。一方で、耐久性や修理費、アプリ最適化にはなお課題が残る。ITメディアのEngadgetは27日、こうした製品のメリットとデメリットを整理した。
最大の強みは画面サイズだ。最大8インチ級のディスプレイをポケットに収まるサイズに折りたためるため、Web閲覧や動画視聴、電子書籍といったコンテンツ消費に加え、文書作成や編集などの作業にも向くとされる。OSやアプリの最適化も進んでおり、複数アプリの同時表示などマルチタスク体験も改善しているという。
使い方の幅広さも魅力の1つだ。閉じた状態では一般的なスマートフォンとして使え、開けば小型タブレットのように使える。半分だけ折ればミニノートPCのようなスタイルにもなり、端末自体をスタンド代わりにしてビデオ会議や自撮り、撮影に活用できる。Engadgetは、こうしたフォームファクターの変化そのものが消費者にとって目新しさにつながると指摘した。実際、スマートフォン利用者の59%がフォルダブルカテゴリに関心を示した一方、価格と耐久性への懸念は根強いという。
ただ、こうした利点が高価格を正当化できるほど安定して提供されているかは別問題だ。フォルダブルスマホは2000ドルを超える製品が多く、購入者はプレミアム機として高い完成度を求める。しかし、ハードウェア構造上の弱点は明確だ。旧型の一部では折り目が目立ち、樹脂素材や超薄型ガラスを使うディスプレイは傷に弱い可能性がある。ヒンジ部分にほこりが入り込み、動作に影響する恐れもあるという。防塵・防水性能を示すIP等級では、先頭の数字が防塵性能を表す。
重量と厚みも分かりやすい弱点だ。初期モデルに比べれば改善しているものの、Engadgetによると、米国で販売される主要なフォルダブル4機種はいずれも200グラムを超える。大型ディスプレイを駆動するためのバッテリーが必要になるためだ。さらに、薄型化を優先してカメラモジュールを抑えた製品も多く、同価格帯の一般的なプレミアムスマートフォンよりカメラ性能で見劣りするケースが少なくないという。
アプリ最適化も完全には解消していない。一部アプリでは、外側ディスプレイから内側ディスプレイに切り替える際、画面比率の調整や表示の切り替えがスムーズでない場合がある。メーカーと開発会社は改善を進めているものの、業務で欠かせないアプリがある場合は、フォルダブル対応の有無を開発元に直接確認すべきだと同メディアは勧めた。画面サイズや形状が変化する製品だけに、アプリ側が対応できなければ中核となる利用体験が損なわれるためだ。
修理や紛失のリスクも負担になる。可動部品が多いため修理費は高額になりやすく、iFixitは現時点で修理性が極めて低い端末と評価している。さらに、フォルダブル特有の目新しさが紛失・盗難端末の取引をあおる面もあり、スマートフォン保険は事実上必須に近いとの指摘もある。
最終的な判断は用途次第だ。大画面での読書や業務、マルチタスクを頻繁にこなし、プレミアム価格も受け入れられるなら、フォルダブルスマホはメイン端末として使える段階に達したとの見方がある。一方で、端末をラフに扱う人や、フォルダブル画面に最適化されていないアプリへの依存度が高い人、カメラ性能や価格競争力を重視する人にとっては、従来型スマートフォンが引き続き現実的な選択肢になりそうだ。