写真=Reve AI(Strategy会長のマイケル・セイラー氏とビットコイン)

マイケル・セイラー氏は26日、個人と企業にデジタル資産を巡る「5つの権利」を認めるべきだと提言した。銀行によるビットコイン保管や、それを担保とした融資の容認に加え、バーゼル規制の見直しも訴えた。ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが報じた。

セイラー氏が示したのは、デジタル資産を「創出する」「資金調達のために発行する」「自ら、または選んだ事業者を通じて保管する」「自由に移転する」「消費・投資・収益創出・借り入れに活用する」という5つの権利だ。これらを個人と企業に等しく保障すべきだと主張した。

提言の背景には、AI中心の経済への移行がある。セイラー氏は、AIと自動化によって雇用が失われ、既存製品が急速に陳腐化するとの見方を示した。

その上で、繁栄を維持するには、既存企業が消えていく速度を上回るペースで新たな企業を生み出す必要があると指摘。米国では1000万社の新規企業が資本を調達できる環境を整えるべきだと訴え、過去のICO(新規コイン公開)市場がその可能性を示したとも述べた。

また、米国の約4000万社のうち、公開市場で容易に資金調達できるのは約400社の有力企業に限られると指摘した。

具体例としてBSTRとTwenty Oneを挙げ、Twenty Oneは約18カ月前にSPACとの合併で上場したものの、数十億ドル規模の資本と法務人材を備えていても、追加の資金調達は容易ではないと説明した。

銀行規制についても問題提起した。大規模なビットコイン保有企業を率いる立場から、銀行は合理的なルールの下でビットコインを保管し、それを担保に融資できるようにすべきだと主張した。

保険会社についても、デジタル資本を貸借対照表に組み入れる現実的な手段が必要だと述べた。

特にバーゼル規制には批判的な見方を示した。特定の暗号資産保有に対して、資産価値の1250%に相当する自己資本の積み増しを求める現行の枠組みは、デジタル資産を極端に高リスクな資産として扱っていると指摘した。

その上で、顧客の暗号資産を保管すること、暗号資産を担保に融資すること、銀行が自己勘定で暗号資産に投資することは、それぞれ異なる行為であり、規制も分けて設計すべきだと述べた。

銀行の市場参入は、今後の暗号資産市場の成長を左右する重要な要因になるとの見方も示した。現在、ビットコインの市場規模は約1兆6000億ドルに達している一方、その大半は銀行システムとつながっていないとした。

銀行が本格参入すれば、市場拡大を後押しする最大の推進力になるとも主張した。

ステーブルコイン政策の方向性については、銀行、フィンテック企業、テクノロジープラットフォームがそれぞれステーブルコインを発行し、利払いを巡って自由に競争できるようにすべきだと提案した。

こうした競争は、すでにスマートフォンを使っている世界の数十億人に対し、ドル建て利用の裾野を広げることにつながるとの認識を示した。

取引報告義務についても見直しを求めた。1万ドル未満の合法的な取引まで自動的に政府へ報告させるような規定は、明確な目的を持ち、実際のリスクに見合ったものであるべきだと述べた。

一連の提案は、デジタル資産を単なる規制対象ではなく、資金調達や決済、金融サービス競争を支える基盤インフラとして捉え直すべきだとの立場を示したものだ。

セイラー氏は「繁栄は自由から始まる。個人と企業は、デジタル資産を創出し、発行し、保管し、移転し、活用する自由を持たなければならない。プライバシーを守り、競争を促し、人々が資産を築けるようにすべきだ」と語った。

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