XRP Ledger(XRPL)上で動く自律型AIエージェントの決済手段として、XRPよりもRipple USD(RLUSD)が選ばれる傾向が強まっている。ブロックチェーンメディアのU.Todayが26日(現地時間)、XRPL AI Hubのデータを基に報じた。24時間稼働する決済では、AIエージェントがネイティブトークンよりも、規制対応のステーブルコインを優先して利用しているという。
オンチェーンの決済動向を見ると、過去最高水準の直接決済や直近30日間のトレンドのいずれでも、RLUSDが優位だった。一方、XRPLのネイティブ資産であるXRPの取引は、直近1週間では伸びが鈍かった。
こうした動きは、BlackRockのリサーチノート「機械ネイティブ経済」とも重なる。同社は、人間の営業時間を前提に設計された既存の銀行システムでは、自律ソフトウェアが必要とするミリ秒単位の少額決済に技術的な制約があるとみている。
BlackRockは、世界のステーブルコイン市場がすでに3000億ドルを超え、年間取引額も11兆6000億ドルに達していると指摘した。こうした資産クラスは、AIにとっての基本的な会計単位として定着しつつあるとの見方も示した。十分な流動性が確保されれば、機械ネットワークは摩擦やシステム上のボトルネックを抑えながら、高頻度の少額決済を安定的に処理できるという。
AIエージェントやロボットは24時間稼働し、計算資源の調達やAPI利用料の支払いを継続的に行う必要がある。このため、トークン化されたGPUは、新たな技術秩序を支える中核的な資源として位置付けられている。
Coinbaseの最高経営責任者(CEO)、ブライアン・アームストロング氏は、取引を実行するAIエージェントの数が指数関数的に増えるとの見通しを示している。その一方で、こうしたソフトウェアには予測可能なコスト構造が欠かせないと指摘した。価格変動の大きい資産は、厳格な予算アルゴリズムと相性が悪いためだ。
XRPの価格が1時間で数%動くだけでも、自律業務の財務モデルは揺らぎかねない。これに対し、米ドルに1対1で連動するRLUSDであれば、アルゴリズムによるコスト予測を精緻に行いやすい。XRPが銀行間決済の役割を維持する一方で、XRPL内部のロボットやソフトウェアによる経済圏では、RippleのデジタルドルであるRLUSDの存在感が強まりつつある。
今回の動きは、AIエージェント決済において、速度そのものよりもコストの予見性が重視されていることを示している。XRPL内でも、自律ソフトウェアが支える内部経済の重心は、価格変動の大きい資産から、ドル連動型のデジタル資産へ移りつつある。