写真=Sequans Communications

フランスの半導体企業Sequans Communicationsは、保有していたビットコイン314BTCを全て売却し、ビットコイン財務戦略を終了した。一時は3200BTC超まで積み上げたものの、約1年で方針を転換し、本業の半導体事業への回帰を鮮明にした。

Cointelegraphや同社の開示によると、Sequans Communicationsは6月末時点で保有していた314BTCを全量売却した。これにより暗号資産の保有残高はゼロとなった。同社は、政府支援の研究開発プロジェクトに伴う義務を除き、未返済の負債はないとしている。

同社は2025年6月にビットコイン財務戦略を発表し、株式と転換社債を通じて総額3億8400万ドル(約576億円)を調達した。取引は翌月に完了した。

その後はビットコインの取得を加速し、11月初旬には保有量を3234BTCまで拡大した。当時はビットコインを長期保有の中核資産と位置付け、2030年までに10万BTCを確保する目標も掲げていた。

ただ、この戦略は数カ月後に転換した。2025年11月に970BTCを売却し、1億8900万ドル(約284億円)規模の転換社債の半分を返済。2026年5月には追加売却によって、残る転換社債も全て返済した。

当時は約658BTCが残っていたが、同社はビットコイン財務戦略をこれ以上進めず、残る保有分も段階的に売却する方針を示していた。

ジョルジュ・カラムCEOは「ビットコイン売却により資本構成を簡素化し、財務基盤を強化した」とコメントした。今後はセルラーIoT、ソフトウェア無線(SDR)、技術ライセンシングなど、半導体事業の成長分野に経営資源を集中する。

こうした動きは同社に限らない。CointelegraphがVanEckの集計として報じたところによると、2026年には少なくとも9社がビットコインまたは暗号資産の財務戦略を中止、もしくは保有資産を全て売却した。背景には、負債返済や運転資本の確保、株主還元、事業戦略の見直しなどがあるという。

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