Zcash(ZEC)に連動するETPが欧州で上場した。21Sharesは24日(現地時間)、Euronext ParisとEuronext Amsterdamに「21Shares Zcash ETP」を上場。これにより、投資家は暗号資産を直接保有せず、証券口座を通じてZECの値動きに投資できるようになった。一方で、ZEC価格の上昇はETP上場前から始まっており、市場では米GrayscaleのZcash ETFへの関心が先行材料になっていたとみられている。
CryptoSlateによると、上場した商品のティッカーは「ZCASH」。パリ市場ではユーロ建て、アムステルダム市場では米ドル建てで取引される。国際証券識別番号(ISIN)は「CH1608218801」。
投資家はZcashを直接購入したり、個人ウォレットで保管したりせずに、証券口座経由でZECの価格変動にアクセスできる。年率手数料は2.5%で、このほか証券会社側の手数料がかかる場合がある。
このETPは現物連動型で、裏付け資産としてZECを実際に保有する仕組みを採る。21Sharesによれば、資産は機関投資家向けカストディアンを通じて保管されており、現在のカストディアンはBitGoだ。投資家は現物のZECではなく、上場ETPを保有する形でエクスポージャーを取ることになる。
21Sharesは、この商品が欧州の投資家向けとして初のZcash ETPだとしている。欧州では単一の暗号資産に連動する商品は、一般的なETFではなくETPの形で提供されるケースが多い。
ただ、今回の上場がZEC相場の上昇局面を直接生んだわけではない。21Sharesの公式商品ページによると、ZCASHの設定日は9月21日。CryptoSlateは、ZECが9月19日の時点で既に1540ドル前後で取引されていたと報じた。
当時は、米国で設定されたGrayscaleのZcash ETFへの関心が相場上昇の背景として取り沙汰されていた。その後も値動きは荒く、9月23日の24時間高値は1651ドルを記録。記事執筆時点では1540ドル台まで戻した。
オンチェーン指標でも、Zcashネットワークの活動拡大が確認された。Messariによると、先週の週間送金額は230億ドルを超え、2021年以降で最大、過去2番目の高水準となった。
もっとも、この数値はネットワーク上で移動した価値の総額を示す指標であり、ZECそのものや新規ETPへの資金流入額を示すものではない。
シールド取引も増えた。Zcash Open Development Labのデータを引用した資料によると、先週のシールド取引件数は6万2379件で、2022年以降の週間ベースで最高だった。
シールド取引は、公開ブロックチェーン上で確認できる取引情報を制限する機能を使った取引を指す。なお、この数値はユニークユーザー数ではなく、あくまで取引件数ベースだ。
今回の欧州上場により、Zcashの投資手段には現物購入に加えて、証券口座経由で価格に連動する商品を保有する選択肢が加わった。今後は、ZCASHの運用資産残高(AUM)の推移が、欧州での証券口座経由の需要を測る一つの材料になりそうだ。
一方で、ETPの資産残高の増減と、Zcashネットワークの送金額やシールド取引件数は別の指標である。欧州ETP上場後の実際の資金流入と、足元で活発化したオンチェーン活動が持続するかどうかは、分けて見極める必要がある。