JPモルガンは、ビットコインの推定平均生産コストである8万5000ドルを、マイナーの売り圧力を見極める重要な節目と位置付けた。相場がこの水準を安定的に上回れば、採掘企業の売り圧力が和らぐ可能性があると分析している。
ブロックチェーンメディア「U.Today」が24日(現地時間)に報じたところによると、JPモルガンは、今週の反発局面でビットコインが推定平均生産コストの8万5000ドルを一時上回ったとみている。ビットコインはこれまで280日間にわたって生産コストを下回る状態が続いていたが、今週に入り初めて同水準を回復した。その後は再び下落し、足元では8万4000ドル前後で推移しているという。
JPモルガンは、この生産コストをビットコイン相場の「ソフトフロア」、つまり緩やかな下値の目安とみている。価格が生産コストを下回る局面では、採算の悪いマイナーほど保有するビットコインの売却を迫られやすい。一方、価格がこれを上回れば、採掘企業の採算圧力は和らぐとした。
もっとも、一時的に生産コストを上回っただけで採算がすぐに改善するわけではない。JPモルガンは、マイナーが収益改善を実感できるようになるには、ビットコインが推定生産コストの水準か、それを上回る水準で一定期間推移する必要があると指摘した。直近では8万5000ドルを一時的に上抜けた後に再び下回っており、今回の上昇がどこまで続くかはなお見極めが必要だとしている。
JPモルガンはあわせて、ビットコインの長期価値に関する分析も示した。Nikolaos Panigirtzoglou氏が率いる分析チームは、2月に金とビットコインのボラティリティを調整した比較を基に、ビットコインの長期的な評価水準は約26万6000ドルに達し得ると試算した。この水準は短期的な目標ではなく、長期評価の目安として提示したものだ。
また、2025年11月には同様の手法で金とのボラティリティ調整後の比較を行い、今後6〜12カ月でビットコインが約17万ドルまで上昇する可能性を示していた。
今回の分析でJPモルガンが重視したのは、長期的な価格水準そのものより、足元の採掘企業の収益環境だ。ビットコインが8万5000ドルを継続的に上回ればマイナーの売り圧力は低下しやすくなる一方、再び生産コストを下回る状態が続けば、売却負担はなお残るとみている。