ポルシェの次世代EV「718ボクスターEV」の試験車が、米カリフォルニア州でTeslaの急速充電網「Supercharger」を利用する様子が確認された。車両はアダプターなしで北米充電規格「NACS」に直接接続しており、量産モデルの充電方式や投入時期に関心が集まっている。
EVメディアのElectrekが22日(現地時間)に報じた。試験車はカリフォルニア州カーソンのダブルツリー・ホテル駐車場に設置されたSuperchargerで充電しており、NACSポートに直接接続していたという。
今回確認された試験車で注目されるのは、充電口の位置と構成だ。充電口は車両後部中央に配置されていた。
ポルシェのEVは通常、充電方式に応じて複数の充電口を備えるケースが多い。これに対し、今回の試験車では後部中央に単一のNACSポートが確認された。
このため、ポルシェが将来的にAC充電とDC急速充電をNACSに一本化する構成を検討している可能性も指摘されている。ただし、あくまで試験車に基づく観測であり、量産モデルでも同じ仕様を採用するかどうかは明らかになっていない。
ポルシェは現在、NACSをDC急速充電に対応させている。公式案内でも、NACSアダプターはDC急速充電専用だと説明している。ポルシェ車は2025年9月以降、北米でSuperchargerの利用に対応している。
外観にはなおカモフラージュが残っていた。前後にはプラスチック製クラッディングが装着され、リアのライトバーやヘッドライト周辺にはテープが貼られていた。
ただ、過去に目撃された試験車に比べると偽装の度合いは弱く、車体形状をより具体的に確認できる状態だった。
ポルシェはこれまで、Taycanに加えてMacanやCayenneのEV投入を進め、電動化ラインアップを広げてきた。一方、主力スポーツカーの718ボクスターと718ケイマンは、これまで内燃機関モデルが中心だった。
しかし、718の内燃機関モデルは昨年10月に生産を終えており、EV後継モデルの投入観測が続いていた。ポルシェは将来的に、718ボクスターと718ケイマンを純電気自動車として展開する計画を示している。
一時は718 EVの開発中断の可能性も取り沙汰された。これに対し、ポルシェのCEO、ミヒャエル・ライタース氏は8月のインタビューで、同モデルを発売する方針を示した。
同氏は、経済性の面でも合理的な判断であり、優れた車両になるとの見方を示している。718 EVはAudiとプラットフォームを共有する形で開発が進められる予定だ。
718ボクスターEVの試験車は最近、公道やサーキットでも相次いで確認されている。ニュルブルクリンクでは、ほぼカモフラージュを外した状態の車両が走行する様子も目撃された。
今回は実際の充電シーンまで確認されたことで、開発が継続していることが改めて示された形だ。
充電場所も注目点の1つだ。今回確認されたSuperchargerは、「Porsche Experience Center Los Angeles」の近くに位置している。
同施設には自前のAC・DC充電設備がある一方、TeslaのSuperchargerは設置されていない。試験車にはポルシェ社員2人が乗っていたとされ、実際の利用環境でTeslaの充電網との互換性を確認していた可能性がある。
もっとも、今回の充電の目的についてポルシェは公式には明らかにしていない。
ポルシェの北米法人は、当該モデルはなお社内検討段階にあり、販売時期や投入地域も発表していないと説明している。今回の目撃情報だけで発売時期や最終的な充電規格を断定することはできない。
それでも、SuperchargerでNACSに直接接続して充電する様子が確認されたことで、電動718ボクスターの充電システム開発が具体的な段階に入っていることを示す材料として注目される。