米軍施設内の売店で冷蔵・冷凍設備の障害が相次いで発生し、軍当局が原因調査を進めている。複数施設で同時期に不具合が報告されたことから、制御システムを狙ったサイバー攻撃の可能性も指摘されているが、現時点で侵入の証拠は確認されていない。
ニュースサイト「Gigazine」によると、8月26日から27日にかけて、米国11州にある14の軍事施設で冷蔵・冷凍設備の障害が報告された。ただ、14施設すべてについて軍当局が公式に確認したわけではない。
米国防総省は、国防コミサリー局(DeCA)が運営する一部売店で冷蔵設備に障害が発生したことを認めた。一方、被害の全容や原因については明らかにしていない。
アリゾナ州のフォート・ワチューカでは、夜間の機器トラブルにより売店の冷凍庫が一斉に霜取り運転へ切り替わり、保管していた冷凍食品に損害が出た。ニューメキシコ州のホローマン空軍基地やカリフォルニア州のフォート・アーウィンでも、冷蔵・冷凍商品の販売停止が発生した。
国防総省は、食品ロスを抑えるため一部商品を別の冷蔵施設へ移送したほか、売店営業は継続したと説明している。
こうした障害が複数施設で同時期に起きたことで、外部からの侵入の可能性も浮上している。セキュリティ企業のClarotyは8月9日、Danfossの冷凍設備向け制御装置「AK-SM 800A」と、Copelandの「XWEB Pro」に脆弱性が見つかったと発表した。
このうちXWEB Proでは23件の脆弱性が確認され、21件が深刻度の高い問題に分類された。Clarotyは実験環境で制御装置への侵入に成功し、冷却設備を物理的に操作できることを実証したとしている。
ただし、障害が発生した軍の売店でこれらの機器が使われていたかどうか、また実際に脆弱性が悪用されたかどうかは確認されていない。原因としては、ソフトウェアの不具合や設定ミス、通信障害、保守上の問題なども考えられる。
今回の障害については、米陸軍犯罪捜査司令部や空軍特別捜査局などの捜査機関が調べている。当局は、具体的な捜査内容やサイバー攻撃との関連については明らかにしていない。