BinanceへのXRP流入が、9月20日までの1週間で急増した。日次平均の流入量は四半期平均を663%上回った。一方で、流入は週を通じて広がったわけではなく、一部の日に集中した。流出も増えており、市場では規制動向や米利上げ後の資金再配置との関係に関心が集まっている。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicによると、Binanceの日次平均XRP流入量は2171万8631XRPだった。
もっとも、流入増は週を通じた継続的な動きではなかった。週次平均を押し上げたのは3日間に集中しており、9月11日に9120万XRP、16日に4450万XRP、17日に4170万XRPの流入を記録した。12日、15日、18日、19日は流入が確認されず、20日については価格、未決済建玉、ファンディングレート、取引データも確認できなかった。
直近1カ月でも、大口ウォレットからBinanceへの流入は大きく増えた。9月18日時点で、過去30日間の大口保有者による流入は約16億XRPに達し、2026年3月以降で最高水準となった。大口ウォレットの移転は5〜7月に減少した後、8月に持ち直し、9月には増加幅がさらに拡大した。
流入が集中したタイミングは、規制やマクロ関連のイベント直後と重なる。米上院では9月15日、手続き採決が49対50となり、「クラリティ法案」は前進しなかった。翌16日には、米連邦準備制度理事会(Fed)が政策金利の誘導目標レンジを25bp引き上げ、3.75〜4.00%に調整した。
XRPは連邦公開市場委員会(FOMC)会合期間中に1.27ドル(約191円)まで下落した後、9月19日には1.410ドル(約212円)まで戻して取引を終えた。こうした値動きの前後で16日と17日の流入が急増したことから、市場ではその意味合いが注目されている。ただ、データだけで直ちに大規模売却の準備だったと断定することはできない。金利決定の前後で投資家がポジションを調整する過程で、取引所間でXRPを移した可能性もある。
資金フローは流入だけでなく流出も増えた。月次ベースでは、XRP流入が前期間比457%増、流出が167%増となった。週末時点のBinanceのXRP準備金は26億3062万8140XRPで、四半期平均比0.22%増、前週比0.34%増だった。日次平均の流出量は1156万5238XRP、入金アドレス数は日次平均788件で、四半期平均を129%上回った。
オンチェーンアクティビティは相対的に弱かった。XRPのネットワーク価値対取引比率(NVT)は32.1%低下し、取引件数は16.4%減少した。価格の持ち直しや取引所流動性の拡大が、ネットワーク利用の増加には結び付かなかったことを示している。
デリバティブ市場では、未決済建玉が4億7710万と、四半期水準比で9.4%増加した。推定レバレッジ比率も0.181となり、四半期比で9.1%上昇した。ファンディングレートは前週の2倍に当たる0.004となり、買い持ちポジションの維持コストが上昇した。清算は売り・買いの双方で発生しており、ショート清算は日次平均234万XRPで前週比199%増、ロング清算は日次平均293万XRPだった。
今回の週次データで重要なのは、BinanceへのXRP流入が膨らんだこと自体よりも、その流入が特定のイベント直後の一部の日に偏り、同時に流出も増えていた点だ。市場では単純な売りシグナルとして受け止めるのではなく、取引所間の資金再配置やデリバティブ市場でのポジション調整が起きていたかを併せて見極める動きが強まっている。