Coinbase(写真=Shutterstock)

Coinbaseは、米国の個人投資家を対象にIPO株の配分サービスを開始する。第1弾として、今週ナスダック上場を予定するスマートリングメーカーOuraを取り扱う。

米ブロックチェーンメディアのDecryptが21日(現地時間)に報じた。対象となる米国ユーザーは、Coinbaseアプリを通じて、Oura株を公募価格で上場前に申し込めるようになる。

今回の取り組みは、暗号資産取引にとどまらず、株式など伝統的な金融商品へ事業領域を広げる戦略の一環だ。Coinbaseは声明で、この機能を「Everything Exchange」構想拡大の次の段階と位置付け、米国の顧客が関心の高い企業に上場前からアクセスできるようにすると説明した。

Ouraはティッカーシンボル「OURA」でナスダックに上場する計画。5000万株を1株40〜44ドルで公募する予定だ。CoinbaseはOuraを第1弾に選んだ理由を明らかにしていないが、サービス開始は同社の上場日程に合わせた。

利用者はCoinbaseアプリ内のIPOページで銘柄を選び、口座に資金を入金したうえで、想定公募価格レンジの提示後に条件付きの買い注文を出す必要がある。あわせて、参加制限の有無を確認するため、米金融業界規制機構(FINRA)の標準アンケートも完了しなければならない。

もっとも、申し込めば必ず配分を受けられるわけではない。実際の配分は需要や主幹事から確保した割当量に応じて決まり、全量配分、一部配分、配分なしに分かれる。受付期間中は申込内容の修正や取り消しが可能で、配分された株式は最終的な公募価格で確定し、取引開始後に売買できる。

配分では長期保有を志向する投資家を優先する方針も打ち出した。Coinbaseは「配分アルゴリズムは、長期的に購入対象を信じる投資家を優先する」と説明。IPO株を30日以内に売却した場合、その後60日間はIPOへの参加が制限される可能性があると案内した。こうした行動を繰り返した投資家については、配分数量や配分頻度が減る可能性があるともしている。

また、証券事業は暗号資産サービスとは切り分けて運営すると明記した。暗号資産取引所事業と証券サービスの区分を明確にした形だ。

今回の動きは、Coinbaseの事業多角化戦略とも重なる。同社は最近、Apple、Tesla、Nvidiaなどに連動する米国株ベースの無期限先物商品の申請も行った。現物株を保有せず、株価の値動きに対するエクスポージャーを提供する仕組みという。

このほか、米国外の適格ユーザー向けにはトークン化株式を提供し、英国では株式とデリバティブの提供に向けた承認も確保した。カナダの顧客に対しては、株式、暗号資産、予測市場を組み合わせたサービスの拡充計画も示している。今回のIPO株配分サービスは、Coinbaseが取引所としての役割を暗号資産から株式・デリバティブへと広げる戦略の一環といえる。

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