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米国が、軌道上兵器を配備・運用していることを初めて公式に認めた。中国とロシアによる宇宙兵器開発への対抗を念頭に抑止力を訴えた一方で、兵器の種類や運用方法などの詳細は伏せた。

米ITメディアのArs Technicaによると、トロイ・メインク米空軍省長官は14日(現地時間)、ワシントン近郊で開かれた空軍・宇宙軍協会の年次会議「Air, Space & Cyber Conference」で、敵対国の脅威から宇宙資産と統合作戦能力を守るため、軌道上に兵器を配備したと明らかにした。

ただ、兵器の種類や運用方法、試験時期、配備時期といった具体的な情報は公表しなかった。メインク長官は、抑止の観点から存在は示す一方、詳細の開示が必ずしも抑止力の強化につながるわけではないとの考えを示した。

今回の発言は、米国がこれまで公の場で言及を避けてきた軌道上兵器の存在を公式に認めた点で注目される。米軍当局は近年、衛星防衛や軌道上での戦闘能力、相手国の衛星を無力化する対衛星兵器など、宇宙戦に関わる能力についてたびたび言及してきた。

背景には、中国とロシアの宇宙兵器開発に対する米国の警戒感がある。メインク長官は記者団に対し、中国とロシアが関連兵器の開発を進める中、米国も自国の宇宙資産を防護する能力を備える必要があると強調した。

米政府は、ロシアが2020年に軌道上の対衛星兵器とみられる兵器システムを試験し、2024年には運用段階にある対衛星兵器を配備したと指摘してきた。中国についても、米軍の軍事衛星の周辺で機動する衛星を運用するなど、宇宙空間での監視や対処の能力を拡大しているとみている。

今回明らかになった兵器の実態は、なお不明だ。一部では、衛星を直接破壊するのではなく、電波妨害や通信・センサー機能の阻害を狙う非破壊型のカウンタースペース兵器ではないかとの見方が出ている。

米国が非破壊型を選好する理由としては、宇宙デブリの問題が挙げられる。衛星を物理的に破壊すれば大量の破片が発生し、他の衛星や宇宙インフラにまで被害が及ぶ可能性がある。このため、電波ジャマーや信号妨害装置、レーザーによるセンサー妨害など、目標を破壊せず機能を制限する手段が有力視されている。

もっとも、存在だけを公表し、実際の性能や使用条件を明らかにしないことが、どこまで実効性のある抑止につながるかは不透明だ。専門家の間では、相手国が保有する能力の中身が見えなければ、脅威の水準を正確に見極めにくいとの指摘もある。

一方で、今回の公表が中国とロシアの対応を促す可能性もある。米国が軌道上兵器の配備を公式に認めたことで、競合国側も自国の宇宙兵器の開発や配備を公然と正当化しやすくなるとの見方だ。

今回の発表を機に、宇宙を巡る軍拡競争がさらに表面化する可能性がある。米国が今後、どの種類の軌道上兵器を追加で公表するのか、中国とロシアがどう対応するのかが今後の焦点となる。

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