米上院で審議中の暗号資産規制法案「クラリティ法案」を巡り、年内成立の見通しが再び後退している。15日、Cointelegraphによると、予測市場Polymarketでの年内成立確率は16%に低下した。
前日には、共和党が倫理条項を強化した修正案を示したことを受け、成立確率は一時35%まで上昇していた。しかし、民主党内の反発が強まり、見通しは再び悪化した。協議に参加したマーク・ワーナー上院議員は、修正後の倫理条項でも不十分との認識を示し、民主党は15日、対案をまとめて共和党側交渉団に提示した。
法案を前進させるには、上院で60票の確保が必要となる。16日の手続き採決が不調に終われば、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の間で暗号資産市場の監督権限をどう分担するかを定める法整備も停滞しかねない。
民主党内の主な争点は、倫理規定の実効性にある。ラファエル・ウォーノック上院議員は、現に起こり得る腐敗リスクに対応できない法案を進めるべきではないとの考えを示した。
ルーベン・ガジェゴ上院議員も、最近示された倫理関連の提案に強い不満があるとして、別途対案を用意する方針を明らかにした。エリザベス・ウォーレン上院議員の陣営は、州司法長官の執行権限がホワイトハウスの倫理担当者の判断で覆される可能性がある点を問題視しているという。
もっとも、民主党が一枚岩で反対しているわけではない。カーステン・ギリブランド上院議員は同僚議員に対し、手続き採決を支持するよう非公開で働きかけた。
一方、シンシア・ルミス上院議員は、ドナルド・トランプ大統領が中核となる倫理条項2項目を受け入れたとして、民主党にこれ以上譲歩する余地はないとの立場を示した。
反対の動きは民主党の外にも広がっている。18州の司法長官連合がすでに反対姿勢を示しているのに加え、Indian Gaming Associationも部族関係者に反対を呼びかけた。
同団体は、分散型金融(DeFi)に関する修正では予測市場を巡る懸念が解消されていないと主張。あわせて、連邦商品法がIndian Gaming Regulatory Actを含む部族または州のゲーム関連法に優先しないことを、法案に明記するよう求めた。
銀行業界も、修正案ではステーブルコインの報酬設計を巡る抜け穴を十分にふさげていないと指摘した。8つの業界団体は、預金金利に類似した報酬スキームが温存されていると訴えている。
さらに、規制上のサーキットブレーカーについても、地方銀行で相当規模の預金流出が発生した後でなければ作動しない設計になっているとして、懸念を示した。
これに対し、暗号資産業界は法案の可決を求めている。Blockchain Associationの最高経営責任者(CEO)、サマー・マーシンガー氏は、超党派の支持を得るため、業界として相当の譲歩を重ねてきたと述べた。
同氏は、この法案によって明確なルール整備や消費者保護、不正行為の抑止が進むほか、暗号資産分野の雇用や開発者、イノベーションの海外流出を防ぐことができると訴えた。