Equinixは9月15日、AI半導体企業FuriosaAIとの協業を明らかにした。ポルトガル・リスボンのデータセンターにFuriosaAIの第2世代AIアクセラレーター「Renegade」搭載サーバーを整備し、同社の欧州市場開拓を支援する。あわせて、分散したAIインフラをつなぐ「分散型AIハブ」構想や、ネットワーク運用を自動化する「Fabric Intelligence」の展開も進める。
Equinixは同日、ソウル市永登浦区の韓国オフィスで「AI時代のネットワークインフラ動向および将来戦略」をテーマにメディアブリーフィングを開催し、FuriosaAIとの協業内容を説明した。
FuriosaAIは、リスボンのEquinixデータセンター内にRenegade搭載サーバーを構築した。ユン・ジフンFuriosaAIプロダクトマネジャーは「サーバー配備から約1カ月が経過し、顧客のオンボーディングを進めながら提供先を広げている段階だ」と話した。
ユン氏は、インフラ運用や幅広いエンドユーザーが使いやすい利用環境の整備には専門パートナーとの連携が重要と判断し、Equinixを選んだと説明した。
◆欧州展開を後押し、顧客接点も拡大
FuriosaAIは欧州のEquinixデータセンターを活用し、顧客向け環境との接続基盤を整えるとともに、Equinixのエコシステムを通じて潜在顧客との接点拡大を狙う。欧州顧客向けにPoC(概念実証)を実施した後は、顧客の自社インフラへの移行や、クラウドパートナーとの連携による商用展開につなげる方針だ。
ユン氏は「現地インフラの重要性が高い市場では、Equinixとの協力を通じて追加の基盤確保を進めている」と述べた。
両社は韓国での協業拡大も検討する。FuriosaAIは今年から来年にかけてAIアクセラレーターカード10万枚の量産を進める計画で、欧州、米国、シンガポールを含む海外市場の開拓も広げる。
ユン氏は「韓国でもEquinixと、コロケーションにとどまらないさまざまな協業を構想している」と語った。
Equinixは、AIモデルやデータ、クラウドなど分散したインフラを接続する「分散型AIハブ」戦略の拡大にも力を入れる。アンソニー・ホEquinixアジア太平洋プロダクトマネジメントディレクターは「エージェンティックAIの時代に向かう中、AIインフラをどう接続するかの重要性は一段と高まっている」と指摘した。
分散型AIハブは、企業内の複数部門が異なるAIモデルやサービス、データを利用する際に生じるセキュリティ、コスト統制、運用管理の複雑化といった課題への対応を想定したもの。Equinixはすでに香港で、HPE、NVIDIA、Dell、Schneider Electricなどと「AI Discovery Hub」を構築している。
大規模なAIインフラを導入する前に、実際のアプリケーションとAIモデルの性能を検証できるよう支援するソリューションとして位置付ける。
このほかEquinixは、ネットワーク運用自動化に向けた「Fabric Intelligence」も発表した。クラウド、ネオクラウド、オンプレミス、データプラットフォームなどに分散するAIインフラの接続と運用を、AIベースで自動化するプラットフォームだ。
Fabric Intelligenceは、Fabric Super Agent、Model Context Protocol(MCP)サーバー、Fabric Application Connector、Fabric Insightsなどで構成する。ホ氏は「AIネットワークをAIのスピードで提供することが目標だ」と述べた。
◆韓国でもデータセンター増強へ
EquinixはFuriosaAIとの協業に加え、韓国でのコロケーション拠点拡大も加速する。現在、韓国内でデータセンター3拠点を運営しており、2028年第1四半期には首都圏で新たなデータセンターを開設する予定だ。
韓国でも、香港の事例に類似したAI Discovery Hubの構築を検討している。
政府主導の大規模AIデータセンタープロジェクトについても見解を示した。チャン・ヘドクEquinix Korea支社長は、同プロジェクトはEquinixの事業モデルとは異なる市場だとして距離を置く姿勢を示した。
チャン氏は「大規模AIデータセンターは少数のハイパースケーラーや大手AI企業を主な対象としており、Equinixのリテール型モデルとは性格が異なる」と説明した。
その上で「今後は半導体の性能だけでなく、データ、クラウド、ネットワークをいかに効率よく接続できるかがAI競争力を左右する」と強調した。