イーロン・マスク氏は、公開が遅れているxAIの人工知能モデル「Grok 4.7」について、Anthropicの「Opus 5」とおおむね同水準になるとの見通しを示した。一方で、Anthropicの上位版「5.1」やOpenAIの「Astra」と比べると、なお改善の余地があるとの認識も明らかにした。
米メディアのCryptopolitanが14日(現地時間)に報じたところによると、マスク氏はX(旧Twitter)への投稿で、Grok 4.7について「概ねOpus 5と同等になるはずだ。一部では優れ、別の面では劣る」と説明した。マルチモーダル性能についても調整が必要だと認めた。
公開が遅れている理由については、「仕上げにあと数日必要だ」と説明。強化学習の過程で、応答の長さに過度なペナルティを課した可能性があるとした。
その結果、本来なら解ける難度の高いタスクでも、十分な推論に至る前に探索を打ち切ってしまう問題が生じたという。出力結果を自ら見直す自己検証能力も、なお十分ではないと述べた。
Grok 4.7は当初、12日に公開される予定だったが延期された。既報ベースでは、パラメーター規模は約2兆1000億で、SpaceXのエンジニアリング関連データが追加されたとされる。
この規模が事実であれば、約1兆5000億パラメーターとされる「Grok 4.6」より約40%大きい計算になる。ただ、Grok 4.7の公式ベンチマークやトークン単価は現時点で確認されておらず、「競合モデルより最大10倍安い」との主張も検証されていない。
比較対象として挙げられたAnthropicの「5.1」はすでに公開されており、外部評価や価格情報も明らかになっている。Terminal-Bench-Scienceでは52.6%を記録し、料金は入力トークンが100万あたり10ドル(約1500円)、出力トークンが100万あたり50ドル(約7500円)とされる。
マスク氏はあわせて、Grok 4.7に続く後継モデルのロードマップにも言及した。Grok 4.8は2兆5000億パラメーター規模で、xAIの新しいC++ソフトウェアスタックを用いて学習を進めているという。今週中に学習を終え、その後は強化学習の段階に入る見通しだとした。
さらにGrok 4.8について、Grok 4.7から「目に見える改善」が見込めるとも述べた。
Grok 4.9については、OpenAIのAstraやAnthropicの上位モデル群と同程度に達する可能性があると主張した。2兆5000億パラメーター級モデルは従来の2兆1000億パラメーター級モデルより高性能だとし、従来モデルにはJAXベースの学習中に一部不具合を修正した経緯があるとも説明した。
あわせて、改良した内部学習ソフトウェアと精製データを用いた、3兆パラメーター規模の学習計画も明らかにした。
最も期待しているモデルとしては「Grok 5」を挙げた。マスク氏は、Grok 5について「おそらくどのモデルよりも優れる可能性がある」としつつ、実際の結果を見極める必要があると述べた。
また、特定の能力をどのモデルで実装するのかとの質問に対しては、「それはGrok 5が担う」と答えた。ただし、Grok 5の公開時期や性能を裏付ける具体的な根拠は示していない。
現時点で一般に確認できるxAIの主力モデルは「Grok 4.6」とみられる。マスク氏が比較対象に挙げたAnthropicの「5.1」とOpenAIの「Astra」はすでに公開されている一方、Grok 4.7はなお追加調整の段階にある。
このため、Grok 4.7の実際の競争力は、正式公開後に独立ベンチマークなどを通じて見極められることになりそうだ。
マスク氏は投稿で、Grok 4.7は「Opus 5.0と概ね同等」、Grok 4.8は「顕著な改善」、Grok 4.9は「Astraクラス」、Grok 5は「最も優れたモデルになる可能性がある」との見方を示している。