米上場のKULR Technology Groupが、保有していたビットコイン約764BTCを全て売却し、保有残高をゼロにした。米証券取引委員会(SEC)への提出資料で明らかになった。売却期間は8月20日から9月11日までで、売却総額は約5860万ドルだった。
平均売却単価は1BTC当たり約7万6633ドル。同社は売却理由について、財務運営上の判断としている。
KULRは高性能エネルギーシステムやAIロボティクス分野の先端技術を手がける企業。暗号資産市場では、ビットコインを買い増す上場企業の一社として注目されてきたが、今回の開示で、同社のビットコイン財務戦略が事実上終了したことが鮮明になった。
こうした方針転換は、すでに示唆されていた。KULRは8月13日に発表した2026年第2四半期決算で、ビットコイン保有の縮小を始めたと明らかにしていた。当時、最高財務責任者(CFO)のマイク・キメル氏は、ビットコイン財務戦略が同社に一定の柔軟性をもたらした一方で、価格変動が財務に与える影響も大きかったと説明していた。
同社は第2四半期末以降、ビットコインのマイニング事業も終了した。Coinbaseからの借り入れも全て返済した。マイク・キメル氏は、これらの措置について、株式の希薄化を抑えつつ、バランスシートの変動性を低減するためだと述べていた。
あわせて同社は、財務の見通しを高めるとともに、資本と経営資源を中核事業の成長に集中させる方針も示している。
売却価格をみると、今回処分したビットコインの平均売却単価は、第2四半期末時点の平均取得単価を下回った。同社は今回の提出資料で平均取得単価を改めて記載していないが、2026年第2四半期報告書では、当時の平均取得単価を約10万579ドルとしていた。
KULRは2024年12月に初めてビットコインを購入して以降、保有量を継続的に積み増してきた。今回の全売却は、単なる保有資産の入れ替えというより、財務戦略の見直しを印象づける動きといえる。今後、ビットコイン保有を再開するのか、それとも本業重視の資金運用を維持するのかが焦点となる。