OpenAIの新たな画像生成モデル「ChatGPT Image 2.5」と、Google陣営の「Nano Banana 2」を比較したところ、評価はほぼ互角だった。6つの評価項目では両モデルが3勝ずつを分け合い、OpenAIは構図や雰囲気表現、イラスト寄りの表現で強みを示した一方、Google側は文字や日付など検証しやすい細部の正確性で上回った。
ブロックチェーン系メディアのDecryptが9月12日(現地時間)に報じた比較テストによると、ChatGPT Image 2.5は複雑な場面の空間構成やムードの表現、イラスト生成で高く評価された。これに対し、Nano Banana 2は画像内テキストや日付など、正誤を確認しやすい要素の再現で安定していたという。
OpenAIは9月8日、ChatGPT Image 2.5の提供を開始した。鮮明なディテール、豊かな質感、自然なライティングに加え、精密な編集機能を訴求している。ユーザーが変更しないよう指定した要素を保ったまま画像を修正する性能も改善し、生成時の待ち時間はImage 2.0比で最大50%削減したとしている。
API向けには「GPT-Image-2.5 Flare」と「GPT-Image-2.5 Sunburst」の2モデルを追加した。Flareは高速な基本生成向け、Sunburstはより高度な画像編集向けの上位モデルという位置付けだ。
今回の比較は、5月に実施された評価の続報にあたる。当時は、複数の制約を含むプロンプトを処理した際、OpenAIのモデルで画像が過度にシャープになる点が課題として挙がっていた。
もっとも、今回のテストではその傾向は大きく目立たなかった。スチームパンク風の場面や人物写真では、ChatGPT Image 2.5は黄色味が強すぎたり、過剰な後処理を施したように見えたりすることなく、複雑なシーンを比較的安定して生成したとされる。
一方、細部の正確性ではNano Banana 2が優勢な場面もあった。文字情報の多い都市の交差点を描く課題では、Nano Banana 2の方が多くの文言を比較的鮮明に再現した。
ChatGPT Image 2.5では、「KELLERMAN'S」のアポストロフィが正しく表現されなかったり、判読しづらくなったりするケースが見られた。ストリートアートの文言でも一部にスペルミスがあったという。全体の写実性は高いものの、画像内テキストの正確さではNano Banana 2に分があった。
空間構成と雰囲気づくりでは、ChatGPT Image 2.5が強みを見せた。時計塔を描く項目では、蒸気や川、遠近による色調の違いを自然に表現し、より立体感のある仕上がりになったという。
評価では、ChatGPT Image 2.5は指示への忠実さと写実性を比較的高い水準で両立したとされた。Nano Banana 2はローマ数字を読みやすく描いた一方、時計の針が示す時刻はプロンプトと完全には一致しなかった。
イラスト色の強いシーンでも、ChatGPT Image 2.5は高評価を得た。アニメ調の霊的な変身シーンでは、空の描写や全体のビジュアル完成度が高かったとされる。ただ、細かな指示をそのまま反映する点では限界もあり、人物がエネルギーで溶けていく場面を直接描くのではなく、髪の周囲に電気的なエフェクトを加える形で解釈した。Nano Banana 2は指示をより字義通りに反映したが、シーン全体の完成度ではChatGPT Image 2.5が上回ったという。
写実的な人物写真では、両モデルの特徴が分かれた。屋上に立つ建築家を描く項目で、ChatGPT Image 2.5は光の扱いや肌の質感で優れた表現を見せた半面、肌が滑らかになりすぎる傾向もあった。
Nano Banana 2は設計図(青写真)の位置を正確に配置できなかったものの、画面構成や書類ラベルの表現は比較的安定していた。単発の生成結果ではNano Banana 2も十分に競争力を示したが、修正を重ねる作業まで含めるとChatGPT Image 2.5の強みが際立つとの評価も出ている。
最も大きな差が出たのは、事実関係の正確さが問われる調査ベースの画像だった。両モデルとも、資料調査を踏まえた画像作成機能をうたっているが、ビットコイン年表のインフォグラフィックではChatGPT Image 2.5が重要な年号を誤って表示した。米国のビットコイン現物上場投資信託(ETF)の承認時期を2023年としたが、米国で最初のビットコイン現物ETFが承認されたのは2024年1月10日だ。
Nano Banana 2も、インフォグラフィックの構成が完全だったわけではない。ただ、ビットコインETF承認と4回目の半減期の時期を2023〜2024年として示し、断定的な誤りは避けたという。
評価では、こうした確信を伴う誤った日付表示は、単なるデザイン上の不備よりも深刻な欠陥だと指摘されている。生成AIが事実に基づくコンテンツを作る場合、画質やデザインだけでなく、情報の正確性そのものが主要な評価軸になることを示したとしている。
一方、抽象的で実在の意味を持たない造語の可視化では、ChatGPT Image 2.5が優位だった。意味の定まっていない単語を、看板やボードゲームの箱に記された文字として直接表現した点が評価された。定義されていない概念を、実際に読める視覚要素へ落とし込んだことが強みとして挙げられている。Nano Banana 2は温かみがあり文化的な雰囲気のシーンを作ったものの、プロンプトに含まれていた造語を画面内で明示できなかった。
OpenAIはモデル本体に加え、周辺機能も強化した。ChatGPT内でラフな構図を直接描けるスケッチ機能、プロンプト共有機能、画像の特定領域にコメントを残せるインラインコメント機能を追加。ポスターや商品制作向けのテンプレートも提供する。APIの品質グレードも拡充し、「high」と「max」を新たに加えた。
総合評価はほぼ引き分けだ。ChatGPT Image 2.5は、前世代で目立った欠点を改善し、一部のシーンでは最も印象的な結果を出した。一方のNano Banana 2は、スペルや日付、表記など検証可能な細部の正確性でより安定していた。今回の比較では、勝敗を分けたのは全体的な画質の差というより、画像内テキストの誤記や年号ミスといった確認可能な小さな誤りだった。