Bernsteinは、米議会で審議が進む「Clarity法案」について、共和党の修正案が民主党の一部支持を引き寄せる可能性があると指摘した。暗号資産市場は法案進展の追い風をなお十分に織り込んでいないという。Decryptoが14日、報じた。
Bernsteinは、上院での手続き採決を前に、共和党が提示した修正案に一定の前進余地があると分析している。
Clarity法案は、デジタル資産に関する連邦レベルのルールを整え、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の管轄を明確にする法案だ。一方、法案成立には民主党の協力が不可欠で、公職者による暗号資産保有やステーブルコインの報酬を巡る対立が障害となってきた。
Bernsteinのアナリストは顧客向けメモで、「ポジティブサプライズは明らかに価格に織り込まれていない」と指摘した。共和党が倫理規定や銀行業界の懸念を踏まえた修正案を示したことで、市場は法案進展の可能性を過小評価しているとの見方を示した。
共和党側は13日に公表した最新草案について、民主党が求めた126項目の変更を反映したと説明した。州司法長官が倫理規定の執行に関与する内容も含まれるという。ドナルド・トランプ米大統領も、強化された制限措置に同意しているとされる。
上院銀行委員会のデジタル資産小委員長を務めるシンシア・ルミス議員は、民主党に支持を公然と呼びかけた。同議員は「この1年、超党派で集中的に日々の協議を重ね、法案は採決の準備が整った」としたうえで、「民主党は求めていた内容を得た。今こそ賛成すべきだ」と述べた。
主要な争点の一つは、倫理規定をどう執行するかだ。従来案では、主にトランプ氏の暗号資産事業を念頭に置いた関連条項の執行権限を司法省に限定していた。新たな修正案では州司法長官の役割を加え、資産売却またはブラインドトラストの要件も盛り込んだ。Bernsteinは、こうした修正が一部民主党議員の姿勢を変える可能性があるとみている。
もっとも、可決見通しを巡ってはなお見方が割れている。TD Cowenのジャレット・セイバーグ氏は「これは交渉の末にまとまった合意ではない。民主党は最終案を提示されているにすぎない」として、慎重な見方を維持した。年内の法制化確率は25%とみている。
一方、Beacon Policy Advisorsは可決見通しを従来の10%未満から30〜40%に引き上げた。
今回の修正案には、コミュニティバンクの預金流出懸念に対応する仕組みも盛り込まれた。財務省は、ステーブルコインの保有者向け報酬が地域銀行から大規模な預金流出を招く場合、これを制限できるようになる。銀行業界は、報酬スキームが融資原資となる預金を奪いかねないと主張してきたのに対し、暗号資産業界は報酬維持の必要性を訴えている。双方とも地元選出の上院議員への働きかけを強めてきた。
10日に公表された草案は、倫理条項の大半を維持したまま、個人または集団が統制する暗号資産取引プロトコルに登録義務を課す内容にとどまっていた。その後、共和党は民主党の要求をより反映した修正案を改めて示し、採決前の最終調整に入った。
今後の行方は、手続き採決の結果で大きく変わる可能性がある。議会がClarity法案を可決できなければ、CFTCは既存権限を活用して暗号資産規制の整備を進める構えだ。マイケル・S・セリグ委員長は関連ルールの検討を指示したものの、将来の政権でも覆されにくい保護措置を整えるには立法が不可欠だと説明している。今回の採決は、米国の暗号資産規制が立法ルートを維持するのか、それとも規制当局主導へ傾くのかを左右する分岐点となる可能性がある。