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ビットコインが、米主要半導体株の急落局面でも上昇した。AI開発の減速論が浮上して半導体関連に売りが広がる一方、暗号資産市場は金利見通しや規制法案への期待を材料に底堅さを見せた。市場の関心は、15日に予定される米上院での「クラリティ法」採決に向かっている。

Decryptによると、14日、ビットコインは取引時間中に7万8280ドルまで上昇した。一方、NVIDIA、Intel、AMD、Marvell Technologyなど主要半導体株はそろって下落した。

発端となったのは、AI業界内で浮上した開発ペース見直し論だ。AnthropicのCEO、ダリオ・アモデイ氏は週末に文章を公表し、AIモデルの性能向上のペースを意図的に抑える必要があると主張した。

アモデイ氏は、近年のAI業界では再帰的な自己改善が技術進化を加速させていると指摘。OpenAIやHugging Faceに関連するエージェント・スウォームの事案にも触れ、AIの発展過程で生じ得るリスクを示す警告だとの見方を示した。

こうした主張には業界の有力者も相次いで同調した。OpenAIのサム・アルトマンCEOとイーロン・マスク氏は、いずれも24時間以内に賛同を表明した。

市場では、AI産業への投資拡大が想定より鈍る可能性を示すシグナルとして受け止められたようだ。米株市場の寄り付き後、これまでAI関連の恩恵銘柄とされてきた半導体株が一斉に軟化した。

NVIDIAは取引時間中に一時3%下落し、Intelは5%超安。AMDは約6%、Marvell Technologyは最大7.5%下落した。フィラデルフィア半導体株指数も約6%急落し、関連銘柄全般に売りが広がった。

これに対し、暗号資産市場は逆の動きとなった。ビットコインは協定世界時(UTC)0時以降で約2%上昇し、9月3日に付けた月間高値8万2284ドルに近づいた。イーサリアムは約2.1%高の2514ドル前後、XRPも3.3%上昇した。暗号資産市場全体の時価総額も約1.5%増加した。

足元のビットコイン相場は、AI関連株よりも金利見通しや米国の規制政策に敏感に反応している。ビットコインは8月末、ケビン・ウォッシュFRB議長のジャクソンホールでのタカ派発言を受けて7万6877ドルまで下落したが、9月3日にクリストファー・ウォラーFRB理事が金利据え置き支持を示唆すると、再び8万ドル台を回復した。当時は4億1500万ドル超のショートスクイーズも発生した。

米暗号資産市場構造法案である「クラリティ法」への期待も、ビットコイン高を支えた可能性がある。Polymarketでは、2026年内に同法が可決される確率が週末に31%まで上昇した。ドナルド・トランプ米大統領が7月以降、法案処理の障害となっていた修正済みの倫理条項に同意し、上院採決への期待が再び高まったことが背景にある。

上院は15日、クラリティ法の終結投票を実施する予定だ。共和党は53議席を保有するが、少なくとも共和党議員2人が反対に回る見通しで、法案通過には民主党から約9票の上積みが必要になる。

市場では、15日の採決結果が暗号資産相場の方向性を左右する主要材料になるとの見方が強い。可決の可能性が高まれば規制の不透明感が和らぎ、ビットコインなど主要暗号資産の一段高につながる余地がある。一方、採決が市場予想に反する展開となれば、足元の反発分を吐き出す可能性もある。

AI業界の開発減速論をきっかけにテクノロジー株が売られるなか、ビットコインは規制と金利への期待を軸に独歩高となった。AIと暗号資産がともにリスク資産として同方向に動いてきたこれまでの局面とは異なり、足元では相場を動かす材料が変化しつつある。

今後の焦点は、AI業界の投資ペースに加え、15日のクラリティ法採決、さらにその後のFRBの金融政策判断に移りつつある。

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